DMMとビデオマーケットが提携、プレミアムGYAO!終了 再編進む国内配信サービス

DMMとビデオマーケット

 過当競争が指摘される動画配信の有料サービスが、早くも再編のフェーズに入ったようだ。2017年12月4日、DMM.comとビデオマーケットは、動画配信分野においての業務提携決定を発表した。
 ビデオマーケットとDMM.comの運営するDMM動画は番組の相互供給を開始する。いずれも業界有数のライブラリー、作品数で知られているが、両社を合算するとその数は50万本を超える。これは国内最大規模となり、他サービスを大きく引き離す。

 昨今、月定額課金見放題スタイルの配信サービスが人気を集めている。しかし、多くのサービスはメジャーな人気タイトルを中心にラインナップしている。コアユーザー向けの作品は用意されていないことも少なくない。
 こうした作品は、作品ごとの都度課金がいまでも多く利用されている。今回の提携は個別都度課金の利用の拡大を目指す。ラインナップの充実が鍵となるだけに、提携によるタイトル数の一挙拡大で勝負にでる。

 アニメから映画、ドラマ、バラエティまで、映像番組をインターネット経由の動画配信プラットフォームで視聴することがますます増えている。有料動画配信の市場規模は着実に拡大しており、コンテンツ関連分野のなかでは成長市場と目されている。
 そのなかでビジネス関係者から懸念が指摘されているのが、配信プラットフォームの過当競争だ。将来性が高いということで、近年参入企業が増えており、その数は数十社に及ぶ。
 競争が厳しく、事業を収益ラインに乗せることが出来ないサービスも少なくない。2017年にはbonobo、ゲオチャンネルなどの撤退もあった。すでに業界は淘汰の時期に突入している。

 2017年11月30日には、ヤフー系の配信サービスGYAO!が有料課金(月額見放題)のプレミアムGYAO!のサービス終了を発表した。30日に新規登録の受付を終了し、2018年2月28日以降は全体サービスも完了する。以後は無料視聴のGYAO!の運営に専念する。
 一方で、GYAO!はプレミアムサービスの利用者に、別の月額見放題サービスのHuluへの乗り換えを薦めている。実はヤフーは、2017年7月にHuluを運営するHJホールディングスの第三者割当を通じて、Huluの運営に参加している。つまり、動画配信の有料サービスで、Huluとの提携に絞ったわけだ。
 これは同じ時期にやはりHJホールディングスに出資した東宝にも当てはまる。東宝は17年6月にサービス終了したbonoboの中核メンバーであった。こちらもビジネスの広がりにかけたbonoboからHuluに乗り換えたかたちだ。
 DMMとビデオマーケットの業務提携、Huluへの東宝とヤフーの参加と、主要企業は単独でなく合従連衡で乗り切る流れが見えてきた。それでも他国に比べて日本のサービス会社はまだまだ数が多い。今後も新たな協力を探る動きは続きそうだ。

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