IGポートが2017年に設立したデジタル出版子会社のリンガ・フランカに、ブシロードが出資する。2020年5月29日、IGポートとブシロードが発表した。
リンガ・フランカは6月1日付で第三者割当増資を実施し、ブシロードが1億5000万円でこれを引き受ける。現在リンガ・フランカはIGポートの100%出資だが、増資後はIGポートとブシロードの出資比率が50%ずつとなり、共同出資会社に移行する。IGポートが引き続き連結子会社とし、ブシロードは持分適用法会社に加える。
またこれと併せて7月3日づけで、減資も実施する。リンガ・フランカは2020年2月末現在で、利益剰余金が約7900万円のマイナスになっている。減資によりこれを一掃する。
リンガ・フランカは2017年11月に、IGポートのグループ会社として設立された。デジタル配信に特化した出版企業を目指した。2018年3月からは、IGポートグループのマッグガーデンのほか一迅社、新潮社、徳間書店、コアミックスなどが参加するマンガ配信サービス「マンガドア」をスタートしている。3年後の黒字化を掲げており、直近は赤字が続いていたと見られる。
ブシロードは今回の資本提携について、リンガ・フランカの持つ配信サービスでの協業を理由に挙げる。グループが力をいれるメディアミックス機能の拡充とデジタル領域の強化を目指す。さらにアニメ製作の大手であるIGポートとの協調もしていく。
IGポートは資本提携を通して「マンガドア」の財務基盤を強化、ブシロードとの協力体制による事業拡大を狙う。同時にこちらもグループ全体でのブシロードとの協調関係と、新たな IP創出を目指すとする。IGポートとブシロード、アニメ業界でも存在感のある2社の連携は、注目を集めそうだ。