KADOKAWA通期増益 ドワンゴ構造改革効果、アニメは北米・中国向け増加

ファイナンス決算

 エンタテイメント大手のKADOKAWAの業績が復調している。5月14日に発表された2020年3月期決算は通期連結売上高が2046億5300万円と前年を1.9%下回った。これはドワンゴ傘下でMAGES.がグループから切り離されたのが大きい。売上高で47億円の影響があった。
 一方で営業利益は80億8700万円と前年のほぼ3倍、経常利益は87億8700万円(108.9%増)、さらに純損益は40億8500万円のマイナスから80億9800万円の黒字にいっきに浮上した。

 ドワンゴを中心としたWebサービス事業の黒字転換が大きかった。売上高は主要事業であるニコニコ動画の月額有料会員数が180万人から163万人と減少しており、4.3%減少の247億39百万円であった。しかし大胆な構造改革が経費削減に結びつき、利益面では25億7600万円の損失から27億8800万円の黒字になった。

 出版事業は電子書籍の拡大が続いている。Amazonなどの外部ストアの販売が50%増、自社サービスのBOOK☆WALKERストアの売上も30%増と、過去最高の売上げになった。
 ただし文庫、単行本、ライトノベルは苦戦した。販売が好調だったのは「ファイブスター物語」「ダンジョン飯」、「ソードアート・オンラインキス・アンド・フライ」「魔法科高校の劣等生 追跡編」、「小説 天気の子」、「AX アックス」など。売上高は1173億300万円(1.2%増)、営業利益62億4800万円(13.9%減)である。

 映像・ゲーム事業は、売上高は483億1400万円(0.04%増)、営業利益34億100万円(13.2%減)。アニメで北米、中国向けのライセンス販売が増加した。中国では18年にリリースした自社アニメ『デート・ア・ライブ』のゲームアプリがロングヒットになっている。また今期になるが、天聞角川が共同出資した中国オリジナルアニメ『万聖街』が4月にリリースされて人気化している。
 ゲーム「SEKIRO」がヒットとなった。しかしアプリゲームの一部が苦戦したことから、映像・ゲーム事業全体では減益だった。今後は2月にリリースした『この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ』ゲームアプリ、年内リリースを目指す『Re:ゼロから始める異世界生活(仮称)』に期待する。

 その他事業はAKB48関連商品販売が苦戦し、ところざわサクラタウンでの新規事業に向けの先行費用投資が続いていることから減収、赤字となっている。売上高は194億9700万円(12.0%減)、営業損失は25億8300万円だった。

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