国内大手アニメーション制作のプロダクション I.Gが、新たに取締役副社長の職を置くことを決めた。2020年5月22日にグループ持株会社IGポートが、プロダクション I.Gの役員異動を発表した。
このなかで現取締役の和田丈嗣氏が6月1日付で取締役副社長に昇格することを明らかにした。プロダクション I.Gが副社長職を設けるのは初で、代表取締役社長の石川光久氏を支えることになる。
また執行役員でアニメーターの西尾鉄也氏が、取締役に昇格する。さらに現取締役の後藤隆幸氏は退任する。いずれも8月28日開催予定の定時株主総会の承認を得て異動する。
和田丈嗣氏は、1978年生まれ。シスコシステムズを経て2005年にプロダクション I.Gに入社、2012年にはIGポートのグループ会社であるウィットスタジオを設立し、代表取締役社長に就任している。ウィットスタジオでは『進撃の巨人』、『甲鉄城のカバネリ』、『魔法使いの嫁』などのヒット作を世に送り出している。和田氏はプロダクション I.G副社長就任後も、ウィットスタジオの代表取締役社長を兼務する。IGポートの主力スタジオふたつに関わることになる。
西尾鉄也氏は1968年生まれの愛知県出身。アニメ・スポットを経て、プロダクション I.Gに入社。スタジオを代表する数々の作品にアニメーター、作画監督、キャラクターデザインとして参加する。代表作には、映画『イノセンス』、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』などがある。
技術の高い画力に定評があり、キャラクターデザインではシンプルかつ骨格を感じさせるのが特徴となっている。『NARUTO‐ナルト‐』や映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』などでその実力を発揮している。
また退任する後藤隆幸氏はプロダクション I.Gの創設メンバーで、アニメーター、作画監督、キャラクターデザインなどで草創期より数多くの作品で活躍し、スタジオを支えている。『赤い光弾ジリオン』、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズ、『精霊の守り人』、『黒子のバスケ』、『銀河英雄伝説 Die Neue These 』といった代表作がある。
取締役退任後もプロダクション I.Gにて、制作に参加する。引き続きその実力を発揮することになりそうだ。