玩具企業ウィズの創業者で代表取締役社長の横井昭裕氏が退任することになった。8月26日に開催される定時株主総会、取締役にて正式決定する。
後任の社長にはバンダイ出身の佐藤明宏氏が就任する。佐藤氏はバンダイ取締役、プレックス代表取締役も務めるが、ウィズ代表取締役を兼任する予定だ。現在の4人の取締役も退任し、経営企画部長の大関浩一氏が新たに就任、さらにバンダイナムコグループから3人が加わる。経営におけるバンダイ主導が鮮明になる。
ウィズはバンダイ出身の横井昭裕氏が1986年に設立、たまごっちやデジタルモンスターの電子玩具の企画・開発で大ヒットを飛ばし、急成長した。2005年にジャスダック市場に上場、2006年度には売上高は77億円まで拡大した。この時期に自社独自商品の開発、ペットアパレルへの進出、他社出資などの多角化戦略を目指した。2006年には老舗のアニメ会社の葦プロダクションの子会社化も行い、アニメ製作にも進出した。
しかし、こうした積極投資が裏目になり、2008年年度より業績が急激に悪化、多くの事業から撤退することになった。また、長年、赤字が続いていた。
2016年3月に、たまごっちなどを通じてビジネス関係の深かったバンダイナムコホールディングスがウィズに対する公開買付を発表、完全子会社化する方針を明らかにした。バンダイナムコグループによる事実上の救済となった。
ウィズの2016年5月期の連結売上高は前期比66%減の5億9200万円、営業損失は3億6600万円、経常損失と当期純損失は、それぞれ4億300万円、5億4500万円。今後は、バンダイナムコグループのなかで商品開発に特化し、経営の立て直しを目指す。