「ジャンプの漫画学校」開催、編集者とマンガ家が講義

マンガ

「もっとマンガ家さんの力になりたい」と、集英社の人気マンガ誌が若手マンガ家やマンガ家志望者に向けたマンガ制作講座を開始する。「ジャンプの漫画学校」とタイトルされた連続講座で、20年8月8日にスタート。毎回2時間、隔週土曜の半年間、東京千代田区の集英社で全10回を予定している。
 講座を運営するのは、マンガ誌として最大発行部数を誇る「週刊少年ジャンプ」、姉妹誌の「ジャンプSQ.」のふたつの紙雑誌、それにマンガアプリの「少年ジャンプ+」だ。いずれも少年マンガを得意としている。『ONE PIECE』や『僕のヒーローアカデミア』など大ヒットタイトルを続出するなど、マンガ志望者にとっては憧れの存在だ。

 ジャンプは今回の試みについて、「これまでジャンプが培ってきた漫画制作に関する経験やノウハウを公開するもの」と説明する。講座では、自身の個性や描きたいこと、どうすると読者の支持を得て人気作品になれるのか、などについて語る。 
 講師陣はジャンプ各誌で活躍する編集者たち、さらに『Dr.STONE』の稲垣理一郎氏、『暗殺教室』の松井優征氏、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の秋本治氏ほか第一線で活躍するマンガ家らも登壇する。
 受講者には期間中、ジャンプ編集者が仮担当としてつく。ネームの添削を行うなど、実践的な作品創作に取り組む。さらに卒業制作は、「少年ジャンプ+」に掲載される。単純にマンガ制作を学ぶだけでなく、プロへの足掛かりとなっているのが特徴だ。

 受講対象者は、将来商業誌での大ヒットを狙うマンガ家とマンガ家志望者としている。受講料は22000円(税込)とリーズナブルに設定されているが、募集定員は50名。希望者はかなり多くが予想される。定員を超える場合は、応募課題「これまで描いた漫画のなかから1本を選んで提出」により編集部で選考する。
 受講申し込みの締め切りは、2020年5月31日。また募集枠とは別にすでに今回の3誌で掲載経験のある新人作家若干名が特待生として受講する。2021年1月には卒業式と懇親会の開催も予定している。

 かつてはマンガ家のデビューは、マンガ雑誌主催のコンテスト、各社編集部の持ち込みと、出版社を経由することが多かった。しかし近年はマンガやイラスト投稿サイトから頭角を現し、そこで出版社やマンガアプリのIT企業が声をかけるケース、デビューも少なくない。出版社編集部がかつてほどデビューに関わらないことも増えている。
 人気マンガ誌であっても、才能のある作家の発掘ではうかうか出来ない時代になっているのだ。そこで今回は、老舗マンガ誌ならのマンガ制作のノウハウを武器に将来の才能を囲い込むとも見える。

「ジャンプの漫画学校」
https://school.shonenjump.com/

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