2020年5月12日、講談社は第44回講談社漫画賞の受賞作品・作家を発表した。アワードは3部門から構成され、少年部門は和久井健氏の『東京卍リベンジャーズ』、少女部門はろびこ氏の『僕と君の大切な話』、総合部門は山口つばさ氏の『ブルーピリオド』が選ばれた。それぞれの受賞者に賞状と記念のブロンズ像、それに副賞100万円が贈呈される。
講談社漫画賞は1936年に設立され講談社児童まんが賞の時代から含めると60年以上の歴史を持つ。受賞部門は1983年よる少年部門、少女部門、一般部門の3部門とされていたが、今回から一般部門は総合部門に名称変更した。マンガの多様化に対応し、より多くの作品を候補対象とするためとしている。
また選考委員は、ベテランマンガ家が務める。今回は赤松健氏、うえやまとち氏、大暮維人氏、加瀬あつし氏、東村アキコ氏、森高夕次氏、大和和紀氏の7名が務めている。
アワードは作家活動の実績に対する功労賞の意味合いも強く、講談社の雑誌で連載をしているなかから受賞作品が選ばれることが多い。本年も「週刊少年マガジン」、「デザート」、「月刊アフタヌーン」と講談社の有力雑誌の連載作品が並んだ。
『東京卍リベンジャーズ』は、実写映画化でも話題を呼んだ『新宿スワン』の和久井健氏が2017年より連載している。暴走族チームでの抗争とタイムリープのSF要素が組み合わさった異色の展開が特徴となっている。
『僕と君の大切な話』は、高校生の青春を描いたラブコメディ。作者のろびこ氏は『となりの怪物くん』でよく知られ、本作はアニメ化もされている。
山口つばさ氏の『ブルーピリオド』は、美大を舞台に画家を目指す若者の青春を描く。マンガ大賞2020も受賞しており、いま最も注目される一冊である。