米国シネダイム、日本アニメ配信「RetroCrush」などの買収発表

シネダイム

 コンテンツのデジタル配信企業シネダイム(Cinedigm)は2022年1月6日、日本アニメ配信のRetro Crushなどを運営するデジタル・メディア・ライト(Digital Media Rights:DMR)を買収することで合意したと発表した。
 DMRはニッチ分野の配信を得意とし、全部で10分野のプラットフォームを持つ。ほとんどは定額課金でなくコマーシャルをつけた無料配信でサービス提供しているのが特徴だ。主要なサイトのひとつに日本アニメを専門で配信するRetroCrushがある。またDMCの有力プラットフォームには、他にアジア映画とバラエティの「AsianCrush」、カルト映画の「Midnight Pulp」、子ども向けの「Cocoro」、Kポップにフォーカスした「KMTV」などがある。

 シネダイムは2000年に設立されたデジタル配信サービス企業で、ナスダック市場に上場する。直近で年間売上げ約36億円の中堅企業だ。今回の買収により30分野の配信サービスと1850万人の契約者、月4000万人にユニークユーザー、40億再生回数以上に事業が拡大するとしている。
 2019年には、やはり配信プラットフォームのビュースター(Viewstar)とビュースターアニメ(Viewster Anime)を買収している。専門性の高いサービスを集めることで成長を目指す。

 現在、日本アニメは巨大プラットフォームで奪い合いになる人気コンテンツだが、RetroCrushは「黄金時代のアニメ(Golden Age of anime)」を掲げる。ライセンス取得価格が比較的安い旧作を取り揃えるニッチ戦略を取る。配信タイトルには『少女革命ウテナ』や『機動戦艦ナデシコ』『ダーティーペア』『焼きたてジャぱん』『獣兵衛忍風帖』といった作品が並んでいる。
 米国での日本アニメ配信会社は、2017年にファニメーション、2021年にクランチロール(イレーション)が相次いでソニーグループに買収されている。2022年になって先日、HIDIVEを運営するセンタイ(SENTAI)をAMCネットワークが買収すると発表したばかりだ。資本の大きな企業に次第に集約されつつある。

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