雑誌連載の開始とほぼ同時にアニメが制作され劇場公開される。そんなサプライズなプロジェクトが2020年3月21日に発表された。
『BLEACH』で世界的な人気を獲得したマンガ家久保帯人の連載が、2年半ぶりに「週刊少年ジャンプ」にて開始する。裏(リバース)のロンドンでドラゴンを相手に二人の魔女が活躍するファンタジーアクション『BURN THE WITCH』である。2018年に読みきりで描かれた話題作がシリーズとなって2020年夏から登場する。連載開始からほどない2020年秋に、早くも劇場中編アニメが制作され公開されることになった。
人気マンガ家の新作となれば誰でもスタート当初よりアニメ化を期待し、予想する。実際に連載が始まってほどなく、アニメ化企画が進むケースも少なくない。しかしアニメ制作には企画段階も含めて2年は必要とされる。
つまり『BURN THE WITCH』は、マンガ企画の構想が進むかなり早い段階からアニメ化が同時進行していたことになる。アニメ、マンガ、ゲームといったメディアミックスの重要性が言われる時代ではあるが、ここまでがつりというのも珍しい。
サプライズはもうひとつある。アニメーション制作をスタジオコロリドが担当することだ。2011年の設立された新進のスタジオで、良質で丁寧な作品づくりで知られている。映画『ペンギン・ハイウェイ』や企業タイアップのCMは多いが、これまでの作品は必ずしも多くない。それが老舗「週刊少年ジャンプ」連載の人気マンガ家の作品に挑むことになる。
制作チームはコロリドらしい、若手スタッフで組んだ新チーム。監督の川野達朗らによる新しい制作ライン「teamヤマヒツヂ」を中心にバトルアクションに挑む。新しい息吹に期待がかかる。
スタジオコロリドは、2020年6月公開の劇場映画『泣きたい私は猫をかぶる』も制作、現在はウェブシリーズ『ポケットモンスター ソード・シールド「薄明の翼」』も制作中だ。話題作を手がけるスタジオとして勢いが広がっている。
久保帯人では、もうひとつ大きなニュースが同時発表されている。代表作の『BLEACH』の新テレビアニメシリーズの制作決定である。前回のテレビシリーズは、2012年3月に全366話で終了したが、終了時にマンガ連載中だったため最終章の「千年血戦篇」はいまだ映像化されていない。これを新たなアニメシリーズにするという。
原作は累計1億2000万部、旧テレビアニメシリーズ・劇場アニメは世界的に人気を博した。詳細は今後発表となるが、大きな話題になるのは間違いないだろう。
『BURN THE WITCH』
https://burn-the-witch-anime.com/