東宝第1Q アニメ製作事業前年比2.6倍で急拡大「呪術廻戦」好調

ファイナンス決算

 2021年7月13日に発表された東宝の22年2月期第1四半期決算は、前年の新型コロナ感染症対応による営業の落ち込みの反動から大幅増収増益となった。連結売上高は578億800万円(75.1%増)、営業利益は105億1800万円(275.2%増)、経常利益は108億4700万円(275.2%増)、さらに当期純利益も66億8400万円を確保している。
 不動産事業が安定した売上げ、利益を確保する一方で、映画事業で『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、『名探偵コナン 緋色の弾丸』といった大ヒットがあり、前期からの「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」のロングランも大きかった。

 第1四半期は、映画配給・興行事業だけではなく、アニメ製作事業、そして「TOHO animation」の飛躍が目立った。アニメ製作事業の売上は第1四半期だけで83億3700万円となり、前年同期比の167.1%増と2.6倍にもなった。
 前年売上の31億2100万円も99.4%増の高い伸びの結果だった。つまり2年前と比べると5倍以上になる。

 アニメ製作事業の主な収入は、テレビアニメ『呪術廻戦』『僕のヒーローアカデミア』といったヒット作の商品化権収入など、またシリーズアニメ『ゴジラ S.P〈シンギュラポイント〉』の利用収入もあった。このほかのパッケージ事業では『ウマ娘 プリティーダービー Season2』が好調、出版・商品事業では『名探偵コナン 緋色の弾丸』と『呪術廻戦』が伸び、ODS事業では映画『あんさんぶるスターズ!! ES Music Garden – Delay Viewing -』があり、特に要所要所で「TOHO animation」ブランドの役割が大きかった。
 これらの事業に実写製作事業も加えた映像事業の売上は124億8100万円(62.1%増)、営業利益は30億8200万円(182.3%増)。こちらの伸びも大きい。

 第2四半期以降も、「TOHO animation」作品への期待が高い。まず21年5月からは『ウマ娘 プリティーダービー Season2』第2期のBlu-rayとDVDのリリースがスタートする。8月6日には『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』が公開する。さらにテレビ・配信視聴で人気が高く、原作の売上も伸びている『呪術廻戦』の初の映画『劇場版 呪術廻戦 0』が12月24日に公開する。通期でも大幅な増収増益を狙うことになりそうだ。
 またアニメ製作事業に含まれない映画事業の配給でも、7月16日公開『竜とそばかすの姫』が控えている。依然、新型コロナ感染症の影響は大きいが、アニメ作品が全体を下支えするかたちだ。

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