2021年12月24日、政府は来年度(22年度)の国の予算案を決定した。一般会計は総額107兆5964億円、前年度当比0.9%増で過去最大規模になる。予算案決定に伴い、各省庁は次年度の事業や予算について明らかにしている。このなかでアニメやマンガなどのコンテンツ関連事業についても公表された。
このうち経済産業省商務情報政策局コンテンツ課は、「コンテンツ海外展開促進事業」として11億円を計上した。今年度の9.6億円から1.4億円、およそ15%程度増加になる。
事業内容は「正規版コンテンツの流通・発信強化のための基礎整備」と「海賊版対策の強化」を挙げている。
「正規版コンテンツの流通・発信強化のための基礎整備」は、コンテンツ分野の国際見本市の開催や外国政府とのコンテンツ製作に関する協定整備、国際共同製作に認定手続きの円滑化・促進などとなる。こちらは本年度からの引き続きの事業となる。国内事業者と海外事業者とのビジネスマッチングや国同士の法整備に力を注ぐことになりそうだ。
もうひとつ注目されるのは、「海賊版対策の強化」である。インターネットへの違法なアップロードにより、アニメ・マンガの海外正規流通を妨げるものとして、引き続き深刻な問題になっている。近年は多くの企業が対策に取り組んでいるが、防弾サーバーなどの出現により運営特定が難しくなるなど個別企業での対応はますます難しくなりつつある。
そこで権利侵害に対する共同エンフォースなどを取り組む中核実施機関の体制強化を図るとしている。海賊版に対する国の強い姿勢は、関連業界に対しても力強いメッセージとなりそうだ。