コミコン、GDCなど エンタメイベント続々オンライン開催へ


 毎年米国サンディエゴ市で開催されることから「サンディエゴ・コミコン」の愛称で親しまれるコミコン・インターナショナルは、新型コロナウィルス感染症の影響を受けて今年の開催を中止したイベントのひとつだ。もともとは北米最大規模のポップカルチャーイベントとして知られ、7月の開催を予定していた。
 リアルなイベントは2021年夏までお預けとなったが、主催者は代替イベントとして「Comic-Con @ Home 2020」を実施するとこのほど発表した。
 ただし現段階で情報は極めて限定的だ。5月10日にサンディエゴ・コミコンの公式YouTubeで告知された20秒足らずの動画のみで、イベントタイトルと、「列はない」、「誰でもチケット獲得」、「駐車場の心配不要」、「ペット歓迎」、「飲食可」と、オンラインイベントであることをアピールする言葉のみである。開催時期や形式、参加料などは明らかにしていない。リアルイベント中止決定から日が浅く、これから詳細を練り込むというのが実情に近いのかもしれない。

 「サンディエゴ・コミコン」は毎年十数万枚のチケットを事前予約で発売するが、チケット獲得が争奪戦の様相を毎年呈している。現地イベントの参加は近年ますますハードルが高くなっている。リアルイベントの中止は残念だが、当初から参加を断念していたファンには朗報かもしれない。
 気になるのはやはり内容だ。今年暮れから来年春にかけての新作情報発表や、毎年恒例のアイズナー賞授賞式など、単純に2021年に繰り越し出来ないものが企画がまず予想される。期間中のトークイベントはあまりに数が多く、全てをオンラインに移行するのは不可能だろう。サイン会や企業ブースの代替、物販はハードルが高いかもしれない。それでも内容次第では、夏のビッグイベントを待ちわびていたファンの間で盛り上がるだろうだ。

 こうしたエンタテイメントの大型イベントのオンライン開催は、にわかにブームの様相を呈している。カンヌ映画祭がマーケット部門をオンラインで開催、アニメーションではアヌシー映画祭が映画祭とマーケットをオンラインで実施する。ゲームではゲーム業界のプロが集まるGame Developers Conferenceのオンライン移行が発表されている。
 日本でも東京ゲームショウとゲームや映像コンテンツのテクノロジーカンファレンスCEDECが、早々とリアルイベントの中止とオンライン移行を発表した。
 こうした試みがどの程度までリアルイベントを代替し、参加者の満足度を得られるかは、未知数だ。しかしもしうまく回るならば、今後の大規模イベントのありかたに新たな可能性を投げかけそうだ。

コミコン・インターナショナル(サンディエゴ・コミコン)
https://www.comic-con.org/

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