新型コロナウィルス感染症が広がるなかで、国内外のアニメ・マンガ関連イベントの開催延期・中止が続いている。4月第3週には、海外の大型イベントの中止発表が相次いだ。なかでも国外最大級の日本ポップカルチャーイベントである米国「アニメエキスポ(Anime Expo)」とフランス「ジャパンエキスポ(Japan Expo)」開催中止が明らかになった。イベント受難の時期を象徴するかたちである。
また7月23日から26日に米国サンディエゴで予定していた「コミコン・インターナショナル」、さらにフランス「アヌシー国際アニメーション映画祭」と日本アニメ・マンガ以外の中止もある。この週に発表が集中したのは、行政が多人数イベントの停止を夏以降にまで延ばす方針を表明したことも影響しているとみられる。少なくとも2020年夏までは、世界的にポップカルチャーの大型イベント開催は困難な状況とみられる。
アニメエキスポは毎年7月初旬、独立記念日を挟むかたちで米国ロサンゼルス市のコンベンションセンターで実施されている。期間中の人出は延べ30万人以上、日本のアニメ・マンガをコンセプトにした海外イベントでは世界最大規模だ。
今年は7月2日から5日までの4日間を予定していた。しかし会場となるロサンゼルス・コンベンションセンターが病院施設として代替使用されている現状もあり、予定通りの開催は難しいのではないかと見られていた。
延期でなく中止になったのは、通常でもスケジュールが埋まっている会場の問題、日本から訪れるゲスト・関係者の新たな調整の難しさがあるだろう。さらに今後いつの時期にイベントが可能になるかの見通しがつかないことがある。アニメエキスポの開催中止は29年の歴史の中で今回が初、次回は2021年にイベント30周年記念と共に開催する。
ジャパンエキスポも、アニメエキスポと重なる7月2日から5日の日程で、フランス郊外の国際展示場での開催を予定していた。ポップカルチャーだけでなく、日本の広い文化をテーマとする。こちらも期間中の人出は延べ20万人以上、ヨーロッパ最大規模を誇る。ジャパンエキスポも、2020年の開催はなく、次回は2021年となる。