ブシロードが出版・IP創出事業の新会社、会社分割で新設

ファイナンス決算

 エンタメ事業のブシロードが引き続き、事業開発に積極的だ。2023年4月25日、同社は連結子会社のブシロードクリエイティブの事業の一部を会社分割し、新会社を設立すると発表した。
 新会社の名称はブシロードワークスとなり、2023年7月3日付で設立され、ブシロードの100%子会社となる。ブシロードクリエイティブの事業のうち、雑誌・書籍の出版やコミック WEB サイトの企画・運営、さらに知的財産権(IP)の創出を引き継ぐかたちだ。
 ブシロードクリエイティブは2015年に設立されたブシロードグループの中核会社のひとつになる。グッズの企画・開発・発売、販売イベントの企画、運営、ECサイトの運営の商品関連事業と、雑誌・書籍制作とWEBコミックサイトの運営という出版関連事業のふたつを軸にしてきた。
 今回のブシロードワークス設立で、商品事業と出版事業の異なるふたつの会社に分割したかたちだ。出版事業会社を立ち上げることで、作品開発を含めてこの分野により積極的に取り組んでいく姿勢が窺える。

 成長事業を強化する一方で、不採算部門に対する決断は早い。同じ4月25日、ブシロードはフィットネスクラブ事業のブシロードウェルビーからの撤退を発表した。
 ブシロードウェルビーのフィットネスクラブ事業を会社分割のうえ新設会社に移管したうえで、現ブシロードウェルビー代表取締役社長である大場隆志氏が買い取る。譲渡価額は非公表。
 ブシロードウェルビーは2020年2月に北海道を中心に展開するフィットネスクラブ事業の株式会社ソプラティコを買収したものだ。グループ会社の新日本プロレスリングと「新日本プロテイン」の共同開発などをしたが新型コロナウイルス感染症の拡大もあり、業績不振が続いた。2022年6月期は4億7400万円の売上げはあったが、営業損失8200万円、当期純損失9100万円と赤字だった。大場隆志氏のもとで経営の立て直しを目指す。ブシロードはブシロードウェルビーからの撤退で特別損失3億2000万円を計上する予定。

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