アニメーション制作のサイエンスSARUの代表取締役が交代した。同社は2020年3月25日付で代表取締役の湯浅政明氏が退任、新たな代表取締役に取締役のチェ・ウニョ氏が就任したことを明らかにしている。
湯浅氏はアニメーター出身の監督で、原作、監督、シリーズ構成、脚本、絵コンテ、演出など多彩な才能を発揮する。アヌシー国際アニメーション映画祭グランプリの『夜明け告げるルーのうた』、Netflixオリジナルの『DEVILMAN crybaby』、本年夏公開予定の『日本沈没2020』といった代表作がある。サイエンスSARUを設立した2013年より、代表取締役を務めていた。
チェ・ウニョン氏も2013年よりサイエンスSARUの取締役を務める。ウニョン氏もアニメーター・演出出身だが、近年はプロデューサーの役割が中心となぅている。
サイエンスSARU は2013年に、湯浅政明氏とチェ・ウニョン氏が共同で立ち上げた。米国カートゥーンネットワークから人気アニメーション番組『アドベンチャー・タイム』のエピソードの制作受注をしたのがきっかけになっている。
スタート当初のスタッフは4人、作品を重ねるなかで会社の規模を大きくし、現在は40名弱の陣容としている。少人数であることを活かした効率性と映像・演出のクオリティの高さが成長の原動力だ。
湯浅氏は現在制作中の劇場映画『犬王』の監督を務めており、引き続き本作に取り組んでいく。また自身のTwitterでは『犬王』完成後は、休みをとりながら次の作品の準備をしたいと述べている。
湯浅氏はサイエンスSARUの顔として、同社制作作品のほとんどで監督を務めてきた。過去7年間で制作中の『犬王』を含めて劇 場4本、TV・配信シリーズ4本などを担当している。ハイピッチで作品を発表してきた。
『犬王』後に、湯浅政明氏が一旦休養に入れば、現在の湯浅監督を中心とした以外の制作体制の構築が課題になりそうだ。