湯浅政明監督「犬王」、アヌシー映画祭で制作映像公開、スタッフも発表

「犬王」

 2019年にアヌシー国際アニメーション映画祭にて製作を明らかにした浅政明監督の新作長編映画『犬王』が、再びアヌシーを舞台に最新情報を発表する。2020年6月15日からフランス・アヌシーからオンライン上に移して展開される映画祭「Annecy Festival ONLINE」にて、『犬王』が登場。これに合わせて、主要スタッフ、ビジュアルを公開した。
 『犬王』が紹介されるのは、映画祭でも毎年注目が集まる「Work in Progress」部門にあたる。公開前の作品のスタッフを招き、その制作過程を紹介するものだ。これまでにも日本から『天気の子』、『ペンギン・ハイウェイ』などの話題作が取り上げられてきた。この部門で紹介された作品は、その後のオフィシャルコンペティションに選ばれることも多い。

 アヌシー映画祭は、当初6月15日からフランスのアヌシー市を会場に開催を予定していた。しかし世界的な新型コロナ感染症拡大により、映画祭、そして国際見本市MIFAをオンラインに移して15日から30日まで実施する。
 『犬王』のセッションは15日16時(現地時間)から、映画祭のサイトにて配信が始まる。湯浅政明監督自身が、作品テーマの背景や制作進行中のアニメーションの一部、設定画、さらに松本大洋によるキャラクター原案を初公開する。
 作品は作家・古川日出男の時代小説『平家物語 犬王の巻』を原作とする。南北朝時代末期から室町期に活躍した能楽師の犬王を主人公に、能楽師の少年・友魚と共に、民衆の圧倒的な支持を集めていく物語だ。映画では犬王を当時の時代のポップスターとして、そしてミュージカルアニメとして描く。

 キャラクター原案は、『鉄コン筋クリート』や『ピンポン THE ANIMATION』でもたびたび湯浅と仕事をしてきたマンガ家の松本大洋を起用。脚本は『図書館戦争』、『罪の声』、『重版出来!』など実写映画・ドラマで活躍する野木亜紀子を起用する。
 さらに今回発表されたのが、キャラクターデザイン・作画監督の伊東伸高、美術監督の中村豪希。さらに作画のメインアニメーターに松本憲生の名前が挙がるのは、アニメファンには注目だろう。湯浅とは『四畳半神話大系』、『映像研には手を出すな!』などで仕事を重ねてきた日本を代表するアニメーターである。
 アニメーション制作は、これまでの湯浅作品と同じくサイエンスSARU。2021年の公開を予定している。

「Work in Progress」の映像はアヌシー映画祭の15ユーロの参加費を払うことで、他の多くのプログラムと共に世界どこからでも視聴できる。「Work in Progress」は、例年、現地の人気プログラムでチケットを手に入れるのは至難の技となっている。今年はオンライン開催と残念な状況ではあるが、映画祭の一端を手軽に見られるチャンスでもある。

アヌシー国際アニメーション映画祭
https://www.annecy.org/home

『犬王』
https://www.annecy.org/programme/index:film-20208201
原作:「平家物語 犬王の巻」古川日出男著/河出書房新社
監督:湯浅政明
脚本:野木亜紀子
キャラクター原案:松本大洋
キャラクターデザイン・作画監督:伊東伸高
美術監督:中村豪希
メインアニメーター:松本憲生
アニメーション制作:サイエンスSARU
公開 :2021年予定

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