IGポート第1Q決算 売上げ大幅増も赤字嵩む、クオリティ確保の制作コスト圧迫

ファイナンス決算

 アニメ製作大手IGポートが、2018年5月期第1四半期決算で赤字に転落した。
 2017年10月13日、IGポートは第1四半期決算を発表、連結売上高は21億円と前年同期比で67.4%増と大幅に伸長した。一方で営業損失が2億2600万円(前年同期は1億100万円の利益)、経常損失が1億9800万円(同8300万円の利益)、当期純損失が1億7800万円(同1600万円の利益)と利益面では赤字となった。出版事業、版権事業がいずれも減収減益となったが、映像事業の損失が大きかった。

 IGポートの映像事業は、プロダクションI.G、ジーベック、ウィットスタジオ、シグナル・エムディの主に4つの映像・アニメーション制作会社で構成される。第1四半期は実写映画『亜人』、テレビアニメ『魔法陣グルグル』、『ボールルームへようこそ』といった作品を手がけた。売上高は15億3900万円と前年同期比で233.5%と倍増した。
 一方で映像制作コストが嵩んでいる。IGポートは、ハイクオリティな映像が要求されるなかでクリエイターの確保とクオリティ維持を重視したためだとしている。また一部の作品で将来発生が見込まれる損失を受注損失引当金として計上したのも響いた。映像事業の損失は2億4000万円と前年同期より大幅に拡大した。
 アニメーション業界では全体の制作が増加する一方で、クリエイター不足が指摘されることが増えている。また映像のデジタル化の進展が制作コストを増大させているともされる。こうした状況がIGポートの業績にも影響しているとみてよさそうだ。

 出版事業は売上高2億8000万円(37.6%減)、セグメント利益が1100万円(90.5%減)である。マンガ『ドラゴン、家を買う。』が、主力タイトルとなった。
 版権事業は売上高2億2600万円(17.4%増)、セグメント利益は4700万円。こちらは「黒子のバスケ 」シリーズ、「進撃の巨人」シリーズ、『甲鉄城のカバネリ』、「攻殻機動隊」シリーズが中心である。
 またその他事業は、売上高5300万円(22.1%減)、セグメント損失が2700万円。商品化に加えて、スマートフォン向けアプリ事業が含まれている。

 通期連結業績予想には変更がない。売上高は95億9200万円、営業利益5億6100万円、経常利益6億1000万円、当期純利益3億5600万円を見通す。

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