アニメーション監督の湯浅政明氏が、2020年3月25日付でアニメ制作会社サイエンスSARUの代表取締役社長を退任したことが明らかになった。4月1日、湯浅監督が自身のTwitterアカウントで言及した。
Twitterでは、退任後も現在サイエンスSARUで制作中の劇場アニメ『犬王』の監督を務めるとしている。作品完成後は、休養を取りながら次の準備を進める。
湯浅政明氏は現在、NHKで放送中のテレビアニメシリーズ『映像研には手を出すな!』の監督のほか、2020年中にリリースされる小松左京のSFを原作にしたNetflixオリジナルアニメシリーズ『日本沈没2020』の監督も務める。近年はハイクオリティの話題作を次々に発表してきたが、一旦休養を取る目的もありそうだ。
湯浅政明監督は1965年生まれ。亜細亜堂でアニメーターとしてキャリアを積んだあとフリーとなり広く活躍した。2004年の映画『マインド・ゲーム』の監督で、一躍脚光を浴びた。その後も『ケモノヅメ』、『四畳半神話大系』などの監督をした。
2013年に米国のテレビアニメーションシリーズ『アドベンチャー・タイム』に制作参加するのをきっかけに、アニメスタジオのサイエンスSARUを設立。自らが代表取締役社長を務めるサイエンスSARUを活動の場として、『DEVILMAN crybaby』、『夜は短し歩けよ乙女』、『夜明け告げるルーのうた』、『きみと、波にのれたら』など話題作を短期間に次々と送り出してきた。この間にアヌシー国際アニメーション映画祭、オタワ国際アニメーション映画祭でグランプリ、アニー賞でテレビ部門監督賞を取るなど、日本を代表するアニメーション監督として地位を固めた。
サイエンスSARUは2013年2月の設立から7年、東京都武蔵市のスタジオで制作を続けている。現在の社員は約40名。デジタル制作も駆使することで、少人数でクオリティの高い仕上がりに定評がある。