毎日映画コンクール アニメーション映画賞に「君の名は。」、「この世界の片隅に」は日本映画優秀賞、大藤賞

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 毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社は1月19日、第71回毎日映画コンクールの各受賞作品を発表した。このうち2016年に公開された最も優れた映画として『シン・ゴジラ』を日本映画大賞に決定した。
 『シン・ゴジラ』は総監督に庵野秀明、監督・特技監督に樋口真嗣といったアニメでもお馴染みのスタッフが制作した特撮映画。シンプルでリアリティを持たせる演出が際立った。『シン・ゴジラ』は、実務派の官僚を演じた市川実日子が女優助演賞、林田裕至と佐久嶋依里が美術賞も獲得し、3冠に輝いている。

 アニメーション部門では、アニメーション映画賞には新海誠監督の『君の名は。』が、大藤信郎賞には片渕須直監督の『この世界の片隅に』が決定した。
 大藤信郎賞は1962年に創設され、現在まで続く日本のアニメーション映画賞では最も長い歴史を誇る。アニメーション映画賞は1989年に別に設けられている。大藤信郎賞は実験的、斬新な表現を選考基準としており、近年は短編作品の受賞が多かったが、今回は『この世界の片隅に』となった。長編映画の受賞は、2008年の『崖の上のポニョ』以来となる。
 アニメーション映画賞は、逆に長編映画が中心だ。新海誠監督は2004年に『雲のむこう、約束の場所』でも受賞をしている。『君の名は。』は、監督にとっては二度目の受賞となる。

 2016年はアニメ映画の活躍が目立ったこともあり、他の分野でも受賞が多かった。『この世界の片隅に』は、日本映画大賞に次ぐ日本映画優秀賞に輝いている。こちらは実写映画、アニメーションも含めてからになる。これまで『となりのトトロ』、『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』が日本映画大賞になったが、アニメの日本映画優秀賞は初となる。また音楽賞で『この世界の片隅に』の主題歌を歌ったコトリンゴが選ばれた。
 『君の名は。』は、ファンの投票により選ばれるTSUTAYA×フィルマークス映画ファン賞日本映画部門に。さらに外国映画部門はディズニーにCGアニメーション『ズートピア』に決まった。邦画、洋画ともアニメーション作品が占め、昨今のアニメ人気を見せつけたかたちだ。

 特別賞として、白組社長の島村達雄氏が顕彰されている。白組は『シン・ゴジラ』、『ALWAYS三丁目の夕日』、『寄生獣』といった作品のVFXで知られている。また、『Friends もののけ島のナキ』、『STAND BY ME ドラえもん』、『GAMBA ガンバと仲間たち』といったCGアニメ映画でも、日本の映画シーンを牽引する。島村氏は、同社の創業社長である。

第71回毎日映画コンクール
http://mainichi.jp/articles/20170119/ddm/012/200/139000c

■ 日本映画大賞 
『シン・ゴジラ』
■ 日本映画優秀賞
『この世界の片隅に』

■ アニメーション映画賞
『君の名は。』
■ 大藤信郎賞
『この世界の片隅に』

■ TSUTAYA×フィルマークス映画ファン賞
日本映画部門 『君の名は。』
外国映画部門 『ズートピア』

■ 特別賞 
島村達雄 (白組社長)

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