2014年に北海道でスタートした新千歳空港国際アニメーション映画祭は、アニメーション界の新しい変化や潮流を積極的に取り組むことで世界から注目を集めている。開催6回目となる2019年でも、また新しい挑戦に乗り出す。
2019年4月15日、映画祭事務局はコンペティションの第6回(2019年)の作品募集を開始した。昨年からスタートした長編部門、そして学生部門を含む短編部門だが、このうち短編部門のアニメーションの定義を今年から大幅に拡大する。従来型のアニメーションに加えて、VRコンテンツ、gif、アニメーション表現を伴った電子コミックを審査の対象にすると発表した。
新千歳空港国際アニメーション映画祭は、国際空港を会場にする異色の映画祭として2014年に立ち上げられた。しかし異色なのは会場だけでない。世界トップクラスのアニメーション作家が多数来日すると同時に、日本のアニメ映画やテレビアニメといった大衆性も混ざり合う。アニメーションのカルチャーにボーダーを設けないことが、独自の雰囲気も生みだしている。
ゲームや新メディアへの関心も、文化に境界線を設けない流れのひとつだろう。短編部門の新たなエントリー基準は、こうした映画祭の方針を反映していると言っていい。
昨年は長編部門に世界25ヵ国地域から49作品、短編部門には86ヵ国地域から2043作品の応募があった。アニメーション映画祭としては世界でも有数の規模である。今年は短編部門のエントリー要項の拡大で、これまでとは異なった作品の流入でさらにエントリーが増えることもありそうだ。
課題は多様な表現手段をどうやって映画祭として同じ基準で選考するかだろう。これまで以上に映画祭選考委員会の手腕が問われる。しかし難しい作業だからこそ、その結果も期待したいところだ。
学生作品含む短編部門の応募受付は2019年6月30日まで、長編部門は2019年7月31日まで。応募条件やエントリー方法の詳細は映画祭公式サイトで確認出来る。
第6回 新千歳空港国際アニメーション映画祭
http://airport-anifes.jp/
2019年11月1日~11月4日
会場:新千歳空港ターミナルビル