映像ソフト2019年10.7%減1590億円 ファン向けアニメ販売0.8%減で前年並み

DVD/Blu-ray

 日本映像ソフト協会は、2020年3月12日に「JVA 2019 年年間統計調査結果」を発表した。2019年一年間の国内ビデオソフト(映像ソフト)の売上高を集計したものである。
 統計によれば2019年のビデオソフトの総売上高は1590億9300万円で前年比10.7%減だった。金額では約190億円の減少で15年連続マイナスだった。長期低減傾向が抜け出せない。DVD販売が前年比19.8%減と大きかったのに加えて、Blu-rayも0.9%の減少に転じた。
 
 減少幅が大きかったのはレンタル店用向けで、売上高279億5700万円と19.9%の減少であった。前年の349億400万円からさらに大台を割り込んだ。なかでもアニメファン向けが中心となる「日本のアニメーション(一般向け)」は23.5%と減少幅が大きく、43億3900万円であった。 
 レンタル向け市場の急激な縮小は、DVD/ Blu-rayレンタル利用のユーザーが競合する動画配信市場の急成長の影響も多いと見られる。ユーザーのニーズは急速に配信に移っており、市場縮小傾向は今後も続きそうだ。

 対称的に「日本のアニメーション(一般向け)」の個人向け販売は、322億8700万円と前年比0.8%減とほぼ前年並みにとどまった。2018年の大幅な落ち込みから歯止めがかかったかたちだ。レンタルに較べて、個人所有のニーズは依然少なくない。
 国内外、一般向け・子ども向け全てを含むアニメーション全体でも個人向けの減少は約1%減である。市場縮小の中心はレンタル向けで、2019年には個人向け販売は下げ止まっていたことがわかる。
 アニメーションの全体の売上金額は467億4600万円、日本のアニメーション(一般向け・子ども向け)が394億1400万円。日本のアニメーション(一般向け)の個人向けは、全体の69%を占める。アニメファンのDVD、Blu-ray購入が市場を支えている。市場全体におけるアニメーションの存在も大きく、こちらは全体の29%、3割近くを占める。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
    『いきものさん』の製作で多くの人が驚いたのは、東映アニメーションがそれを担当することだろう。世界的な…
  3. MIFA東京都ブース2023
     東京都がこの10月、11月に、アニメーション分野で海外進出を目指す企業や個人事業主に向けた連続セミ…
ページ上部へ戻る