2020年2月26日に米国公開した『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』が、オープニングのスタートダッシュに引き続き快調だ。公開から1週間目を迎えた3月3日に、全米興行収入が1000万ドルの大台を突破した。
3月3日までの累計興行収入は、1036万ドル(約11億3000万円)である。すでに2018年9月25日に米国公開した前作『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE~2人の 英雄 ヒーロー ~』の最終興行収入575万ドルの2倍近くに達している。
2月26日のオープニングで全米興行収入デイリー1位になったことが注目されたが、ライバル映画がひしめく週末3日間(金、土、日)でもランキング4位につける存在感を発揮した。
『ヒロアカ』より上位は、1位が28日に公開されたユニバーサル映画の『The Invisible Man(透明人間)』、2位に『ソニック・ザ・ムービー』、3位に『The Call of the Wild』とハリウッドメジャーの大作が並ぶ。
日本アニメ映画はこれまで米国で百数十本が公開されているが、1000万ドルを超えた作品は8本のみ。『ポケットモンスター』、『遊戯王』、『ドラゴンボール』、スタジオジブリ作品に限られている。この一角に、『僕のヒーローアカデミア』が加わる。
『僕のヒーローアカデミア』はすでにマンガ単行本グラフィックノベルのベストセラーを占拠する勢いで、アニメでも大盛況だ。映画のヒットはあらためてそうした人気を確認させた。同時に米国で長く愛される日本発の大型作品の一角に食い込んだ。
今回の配給は、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン系の日本アニメ専門のファニメーション・エンタテインメント(FUNimation Entertainment)が担当している。大手配給以外で日本アニメ映画の1000万ドル超えは、これまで同じファニメーション配給の『ドラゴンボール超 ブロリー』だけ。そうした点でもサプライズである。
上映劇場数は2週目に入っても、当初の1200館超を維持している。今後も興収のさらなる上積みが期待できる。焦点は日本の興行成績(約16億円)を超えられるかである。日本アニメ映画で興行成績で日米が逆転、あるいは日本と並ぶ水準になれば、アニメ映画の海外ビジネスを考えるうえでインパクトは大きい。