政府は2019年12月20日に、令和2年度予算案等を閣議決定した。総額で102兆円を超える過去最大規模の予算となったが、アニメや映画・音楽・ゲームなどのコンテンツ関連の海外展開関連予算も大幅に増加する見込みだ。
政府予算案によれば、経済産業省の商務情報政策局コンテンツ産業課が担当する「コンテンツ海外展開促進事業」の予算が令和元年の5億円から9.5億円へと倍増する。コンテンツ産業は日本経済の中長期的な成長をもたらす可能性がある一方で国内市場が伸び拡大、海外市場の開拓が課題になっているとし、この課題を解決するためと位置付ける。
具体的事業は次の5つを挙げた。
1) 日本のコンテンツの発信力強化
2) ビジネスマッチングによる海外コンテンツ市場の開拓
3) 政府間連携を通じた環境整備
4) 海賊版対策
5) 国際共同製作の認定手続の円滑化・整備
「コンテンツの発信力強化」では、関連展示会の実施・コンテンツの発信としている。「ビジネスマッチング」も併せて、国際見本市などの事業となりそうだ。
「政府間連携を通じた環境整備」は、外国政府とのコンテンツ産業振興や制度について話し合い、コンテンツ製作に関する協定を整備する。「国際共同製作の認定手続の円滑化・整備」もこれにつながる。2019年に発行した日中両国政府の映画共同製作協定の推進も目指す。
「海賊版対策」では、権利侵害に対するエンフォースメント(法的執行)に取り組むとしている。従来以上に、海賊版業者に強く対応することが期待される。
次年度はかなりの予算増になったが、2019年夏に東京オリンピックが開催される影響もあると見られる。海外の目がこれまで以上に日本に向けられ年になり、訪日する機会も増える。この機会に合わせて、日本のコンテンツを積極的にアピールする狙いもありそうだ。
経済産業省では、現在約10兆円あまりの国内の文化GDPを2025年までに約18兆円(GDP比3%程度)を目指すためとしている。