アニプレックス、ノベルゲーム製作の新レーベル設立 2タイトル発表

「ANIPLEX.EXE」

 アニメ製作のアニプレックスが、また事業の領域を拡大する。すでにスマホアプリゲームで大きな成功を収めているアニプレックスだが、今後の事業はPC向けのノベルゲームになる。
 2019年12月27日にノベルゲーム専門の新ブランド「ANIPLEX.EXE」のスタートを発表した。ブランド発表と同時に、2020年に早くも2タイトルの配信・発売予定も告知した。フロントウイング、枕との共同制作の『ATRI -My Dear Moments-』、ライアーソフト制作による『徒花異譚』である。27日には両作のキービジュアル、メインスタッフ・キャスト、それにティザー映像を公開されている。

 アニプレックスは「ANIPLEX.EXE」について、「ノベルゲームだから、おもしろい」をテーマに掲げる。またアニプレックスと美少女ゲームを手掛けてきたスタッフを掛け合わせることで、ノベルゲームを生みだしていくプロジェクトとしている。ノベルゲームの王道である美少女ゲームを中心に活動するようだ。
 第1弾のパートナーとなるフロントウイングは、1999年設立の老舗のノベルゲーム開発メーカー。アニメ化もされた「グリザイア」シリーズや『アイランド』でファンにはお馴染みだ。ライアーソフトも『舷窓』『霞外籠逗留記』など多数の作品を開発しており、ファンの支持が高い。
 いずれもこの分野では定評のある有力メーカーだが、アダルトゲームを得意としてきた。一方で『ATRI -My Dear Moments-』、『徒花異譚』共に全年齢対象の作品になる。ターゲットを広い定めることで、ファン層の拡大も狙うとみられる。アニプレックス、フロントウイング、ライアーソフトにとって挑戦的なプロジェクトである。

 『ATRI -My Dear Moments-』は、製作がANIPLEX.EX、制作をフロントウイングと枕が担当する。原因不明の海面上昇によって、地表の多くが海に沈んだ近未来を舞台に幼い頃の事故によって片足を失った少年・斑鳩夏生が祖母の遺産が眠る海底の倉庫を目指す。そこで人間と見紛うほどに精巧で感情豊かなロボットの少女アトリに出会う。
 『徒花異譚』も製作はANIPLEX.EXE、Liar-softが制作する。絵草子の中の世界「徒花郷」の中で目覚めた記憶のない少女と、謎の少年を中心に展開する。

 12月28日から始まったコミックマーケット97に合わせて、会場付近で両作品、そして「ANIPLEX.EXE」を告知するアドトラックの走行を展開する。またANIPLEX.EXE公式ツイッターでは、メインキャストのサイン入りポスターセットが当たる抽選キャンペーンも実施する。力強いプロモーションでスタートし、作品の意気込みも十分だ。
 いずれの作品も当初より、日本語以外に英語、簡体字と繫体字の中国語と4ヵ国語対応する。海外ビジネス展開に積極的なアニプレックスだけに、国内外同時展開がここでも実現している。
 アニプレックスは近年、アニメ製作や映像ソフト発売だけでなく、アニメ・ゲーム関連の周辺事業を積極的に拡張している。それはスマホアプリゲームからフィギュア開発、オンライン販売、実写映画、映画配給など様々な分野に及ぶ。今回はノベルゲームがこれに加わったかたちだ。

ANIPLEX.EXE(アニプレックスエグゼ)
https://aniplex-exe.com

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