仏バンド・デシネ掲載の雑誌「ユーロマンガ」、電子書籍で展開

マンガ

 近年は国内でも海外のマンガ作品に対する関心が高まっている。しかし、翻訳出版となるとその数はまだまだ少ない。フランスを中心としたバンド・デシネでも同様で、日本語で紹介されるのはすでに知名度を築いた有名作家が中心だ。新進の作家を日本で知る機会は限られる。
 そうしたなかでバンド・デシネの新しい作家や作品を積極的に紹介してきたのが「ユーロマンガ」である。2008年に創刊8号にわたりフランスのバンド・デシネを日本語で掲載してきた。

 近年は雑誌形式でない『ラディアン』や『ブラックサッド』など単行本にビジネスの中心を移し、「ユーロマンガ」自体は2013年を最後に発行が途切れている。これが新たな展開をする。電子雑誌「ユーロマンガ 創刊号」が、発刊されることになった。2021年1月14日より国内主要電子書店にて配信を開始する。
 ユーロマンガでは2008年以来、紙媒体で作品を出版してきたが、10年以上の歳月が過ぎたなかで社会もライフスタイルも変化してきており、これに合わせ電子メディアにも力を入れていきたいとしている。ヨーロッパでは日本に較べるとマンガ作品のメディア展開は遅れており、バンド・デシネ文化においてはいち早い取り組みとも言える。

 電子書籍版でも、旧来の紙雑誌と同様に一冊に複数の人気作、注目作を掲載する。創刊号は約350ページフルカラーで『テーレマコス』(ケニー・ルイス、キッド・トゥーサン)、『メカニック・セレスト』(メルワン)、『ポルトガル』(シリル・ペドロサ)など10作品以上がラインアップされる。バンド・デシネのファン、そして初心者にも楽しめる内容を目指す。
 紙雑誌ではなかなか書店でみつからないこともあったが、デジタル出版になることでより手に取りやすくなる。バンド・デシネの普及にも、一役買いそうだ。

ユーロマンガ https://www.euromanga.jp/

【「ユーロマンガ 創刊号」】』連載作品
『テーレマコス』 (ケニー・ルイス、キッド・トゥーサン)
『メカニック・セレスト』 (メルワン)
『ポルトガル』 (シリル・ペドロサ)
『シャングリ=ラ』 (マチュー・バブレ)
『執行猶予』 (ジャン=ピエール・ジブラ)
『エマとカピュシン』 (レナ・サ ヤフーム、ジェロム・アモン)
『ブラックサッド』 (フアンホ・ガルニド、フアン・ディアス・カナレス)
『最高の夏休み』 (ジョルディ・ラフェーブル、ジドルー)
『ムチャチョ―ある少年の革命』 (エマニュエル・ルパージュ)
『アエオン』 (アンジェラ・ヴィアネッロ)
(プレビュー)『マリキのブログ』

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