円谷が有力企業と相次ぎ大型プロジェクト 東映アニメやマーベルと世界展開

『KAIJU DECODE 怪獣デコード』

 日本の映像業界を代表するふたつの企業が手を組み、新しい時代の作品を作りだすことが明らかになった。特撮の円谷プロダクションと東映アニメーションが新作アニメを共同製作する。
 作品タイトルは『KAIJU DECODE 怪獣デコード』とし、「怪獣と少女の物語」だという。多くの怪獣・ヒーローを創り出してきた円谷プロと、少女の活躍するアニメを得意とする東映アニメーションのクリエイティブが結びつく。企画・原作も円谷プロと東映アニメーションの併記されている。
 作品の詳細は今後、2019年12月14日に東京・後楽園のTOKYO DOME CITY HALLにて実施される「TSUBURAYA CONVENTION 2019」のオープニングセレモニーにて発表される。「TSUBURAYA CONVENTION 2019」は円谷プロの作品をフィーチャーする大型イベントだ。これに合わせたお披露目は、『KAIJU DECODE 怪獣デコード』が同社の中で大型プロジェクトに位置づけられていることがわかる。

 東映アニメーションは設立から70年以上の歴史を持つ。現在まで続くアニメ製作会社では最も古い歴史を持つ。円谷プロはウルトラシリーズなどで知られ、こちらも50年以上の歴史だ。日本のアニメを代表する顔と特撮の顔が結びつく。まさに大型かつサプライズである。
 今回の取り組みについて、円谷プロダクション代表取締役会長兼CEOの塚越隆行氏は、「アニメと特撮、その老舗2社が互いの持ち味を活かし、世界に向けた作品づくりを目指すこのプロジェクトにご期待ください」とする。特撮とアニメの老舗が協力する話題性の大きさを意識している。
 東映アニメーション代表取締役社長の高木勝裕氏も、「当社がこれまで培ってきた映像制作の技術に加えて、今回も新たなチャレンジを行います。両社の組み合わせに驚きを感じる方もいらっしゃるかと思いますが、映像を通して更なる驚きを感じていただけるように製作を進めてまいります」とコメントする。2社のタッグというサプライズに加えて、映像的な見どころにも言及している。

 作品の鍵を握ることになりそうなのは、2人のプロデューサーだ。東映アニメーション側は、実写VFXやCGアニメ企画も多く手がけてきた野口光一氏。近年の代表作は『楽園追放 -Expelled from Paradise-』『正解するカド』と言えば、アニメに詳しい人なら思い当たるだろう。いずれもセルアニメスタイルを積極的に取りこんだデジタルアニメの野心作である。今回もCGアニメーションでの制作としているから、映像の新技術への挑戦が期待される。
 円谷プロの隠田雅浩プロデューサーは、2010年代以降に若い世代に人気を広げた『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロ VS ダークロプスゼロ』、『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国』を手がけた。さらに『SSSS.GRIDMAN』やCGアニメ『ULTRAMAN』を手がけている。円谷プロの作品のアニメ展開にも積極的だ。

 円谷プロの積極的な他社連携はこれにとどまらない。11月24日には、もうひとつ大きな事業連携が明らかにされている。米国コミック出版の最大手マーベル・エンターテイメントにて、ウルトラマンのコミックス出版をすることが発表された。2020年に刊行を開始する。
 新たなウルトラマンの物語をコミックの形式で綴るとしているが、こちらも詳細な内容は今後の発表となる。円谷プロとマーベルのウェブサイトで続報を告知する。
 日本では長年多くの世代に人気のウルトラマンは、海外ではアジア地域を中心に人気を博している。北米では今年春にNetflixで配信されたCGアニメ『ULTRAMAN』が好評だった。この勢いに乗り、世界最大のエンタテイメント市場を狙う。

 相次ぐアニメ企画、海外進出、大型コンベンションの開催など、円谷プロはここ数年でこれまで以上に新領域の展開を進める。これは2017年に同社の社長にウォルト・ディズニー・ジャパン出身の塚越隆行氏が就任したことも理由があるかもしれない。ディズニー流の歴史が長く、認知度を高いキャラクターブランドを、映像だけにとどまらず、幅広く活用する戦略に共通するところがありそうだ。

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