東映アニメが国際展開目指す新ブランド設立、第1弾は篠塚超監督『きつねつき』

ETERNA Animation

 アニメ制作大手の東映アニメーションが、自社製作オリジナル企画による海外展開で新たな取り組みをする。6月8日よりフランスで開催されているアヌシー国際アニメーション映画祭にて、オリジナルアニメの新ブランド「ETERNA Animation(エターナ・ア(FOXING: Kitsune-tsuki)ニメーション)」を発表した。
 すでに第1弾の制作が進んでおり、短編『きつねつき』のタイトルで同社に所属する篠塚超が監督する。Vコンテやキャラクター設定などを映画祭で初公開した。2026年の完成、公開を予定している。

 「ETERNA Animation」の「ETERNA」は永遠という意味を込めたブランドで、東映アニメーションでは「観る人の記憶に深く残り続ける表現を創造したい」という意味を込めたと説明。「オリジナリティ」、「特別感」、「特別感」、「アーティスティック」、「品質」、「品位」を掲げて、次世代のストーリー、才能、自由な表現を目指す。 
 監督の篠塚超は、今回が初監督だ。1994年生まれ、大学卒業後、東映アニメーションに入社した若手の演出である。プロデューサーの森山義秀は『ELEMON』、『Tokyo 7th シスターズ ~僕らは青空になる~』、『リングにかけろ1影道編・世界大会編』などを手がけた。
 『きつねつき』では現代社会における孤独や幻想、「自己との対峙」という普遍的なテーマを軸に、詩的な映像を目指した。若手の挑戦的な企画で、東映アニメーションは新しいクリエイティブを目指すことになる。

 新ブランドでは才能発掘に加えて、国際展開が鍵になる。東映アニメーションでは現在、アニメの海外市場の拡大を背景に、さらに海外での取り組みを積極的に進めている。
 海外向けビジネスは『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』などの国内でも人気の高い作品を海外に販売する「海外輸出型」、中国・韓国・フランス・サウジアラビアなど進める各国地元で制作して制作国を中心に展開する「地産地消型ビジネス」、米国ハリウッドなどの企業と組みグローバル市場に展開する「ハリウッド型ビジネス」などに細分化する。
 今回は当初から海外も意識して、日本で制作するさらに新らしいかたちだ。海外への意気込みは、本作の発表が2025年6月開催のアヌシー国際アニメーション映画祭とその併設見本市MIFAに合わせたことからも伝わる。
 ブランド設立に先立ち、東映アニメーションでは短編アニメ『あめだま』で、第97回米国アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされたばかり。長年の有力番組に注目があたりがちな東映アニメーションのなかで進められる次世代型プロジェクトが注目される。

ETERNA Animation公式サイト
https://www.toei-anim.co.jp/eterna_animatio

『きつねつき』
監督: 篠塚超(東映アニメーション)  
制作: 東映アニメーション 
製作: 東映アニメーション

きつねつき

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