アニメグッズを買える配信番組 AbemaTVとアニプレックスが新事業

「買えるアニメ放送局」

 AbemaTVとアニプレックスが、インターネット配信を通じた商品販売の新事業に乗り出した。AbemaTVが運営する映像配信プラットフォーム「AbemaTV」を通じて、人気アニメ作品のオリジナル商品の開発・販売を共同で手がけるプロジェクトを開始する。
 まず2019年10月から、両社が協力する新番組「買えるアニメ放送局」がスタートする。「買えるアニメ放送局」のコンセプトは、オリジナル商品の販売だ。
 アニプレックスは国内有数のアニメ会社で、自社製作の人気アニメを多く持つ。そんなアニメ作品のオリジナル商品を開発し、番組で紹介することで販売促進を目指す。配信=アニメ=商品開発・販売をつなぐ事業と言えば分かりやすい。

 番組の第1回配信は、2019年10月25日になる。テレビアニメ『鬼滅の刃』にフォーカスして、番組内でオリジナル商品の詳細を初公開する。とりわけ初回放送は力がはいり、生中継とする。作品に出演する人気声優を多数ゲストに招くなど、バラエティ色もたっぷりだ。
 『鬼滅の刃』は2019年の新作アニメで、吾峠呼世晴が「週刊少年ジャンプ」に連載する人気マンガをufotableのアニメーション制作で映像化した。多くのファンから支持を得た。「AbemaTV」でも、番組配信をしており、視聴者にも馴染み深い。
 「買えるアニメ放送局」の配信初回放送では『鬼滅の刃』にフォーカスする。さらに当日25日、翌26日には『鬼滅の刃』全話一挙放送も実施する。作品に対するファンの想いを、オリジナル商品の購買に結びつける仕組みだ。

 AbemaTVの今回の取り組みは、同社の事業でのアニメの存在感の大きさも理由にあるだろう。「AbemaTV」は約20のチャンネルにて多彩な番組を24時間番組編成方式で無料配信している。
 このなかで有力なジャンルのひとつがアニメだ。アニメ番組や声優生放送番組などのアニメチャンネルは、650万人を超える月間アクティブユーザー(2019年3月時点)を持つ。これは国内アニメ配信サービスでも、主要なプレイヤーのひとつと考えるのに十分だ。
 しかし無料配信は広告だけで事業を成立させるのは厳しい。そこで番組放送以外のテレビショッピングなどの周辺ビジネスなどの多角展開もしている。すでに関連会社を通じて商品企画・製造からEC販売までの機能をグループに持つ。これを多角化に活かしている。多角化にあたっては資本業務提携やパートナーシップ締結などの他社有力企業との協業にも積極的だ。

 事業の多角化が必要なのは、アニプレックスも同様だ。コアファン向けのアニメはかつてはDVDやBlu-rayによってビジネスが支えられてきたが、いまビデオソフトの売上はかつてほど勢いがない。
 このため収益の多角が必要となり、オリジナル商品はそのひとつだ。しかし商品の流通や宣伝にはコストがかかる。そこで近年番組を見る手段となっている配信を通じて商品情報を届け、さらに販売につなげる。AbemaTVとアニプレックスとの共同プロジェクトは、こうした新しい波を活かしたものとなる。

「買えるアニメ放送局」
2019年10月25日(金)20時30分~
放送チャンネル:Abemaアニメ3チャンネル

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