AbemaTVが世界配信開始 ニュースや声優のオリジナル番組など

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 映像配信プラットフォームの「AbemaTV」が、この4月より番組視聴できる地域を日本国内から全世界対応に切り替えた。2019年2月より在留邦人が多い米国、オーストラリア、タイ、カナダ、イギリス、ブラジルの6ヵ国で試験的に実施していたが、この結果を受けて全世界に対象地域を拡大する。
 世界配信であるが番組は日本語中心で、主要なターゲットは海外在留邦人や旅行中の日本人となる。視聴は日本国内と同様で無料。一部のチャンネルや作品は、オンデマンド対応の「Abemaビデオ」でサービス提供する。

 番組で特に力をいれるのは、AbemaTVによるオリジナル番組である。「海外版AbemaNewsチャンネル」で、『AbemaMorning』『けやきヒルズ』『AbemaPrime』などを届けるなどニュースが充実する。海外でライブ視聴できるニュース番組は数少なく、速報性も重要なことから人気を集めそうだ。
 娯楽では「将棋チャンネル」のオリジナル対局番組、「麻雀チャンネル」のプロ麻雀「Mリーグ」の試合を中継する。「釣りチャンネル」の放送する。
 今後はAbemaTVのオリジナル番組配信の拡充を予定している。第一弾は人気声優をMCにしたレギュラー帯番組『声優と夜あそび』となる。声優番組がキラーコンテンツとなる。

 AbemaTVはインターネット番組でもあることから、当初より全世界向け配信のハードルはそれほど高かったわけでない。しかし通常のドラマやアニメ、映画、バラエティ番組は海外での配信権利が日本と異なることが多い。そうした作品は権利上の問題から海外向けの配信ができない。
 オリジナル番組はAbemaTVが全ての権利を持っており、世界対応が可能となる。AbemaTVが海外展開を狙うとなると、オリジナル番組に積極的にならざる得ないとの事情がありそうだ。
 現在は日本語を使う海外居住者が対象だ。しかしネットワークがグローバルに広がることから日本コンテンツの海外展開のインフラに活用することも理論的には可能だ。AbemaTVがそうした海外展開を視野にいれているかどうかは、気になる点だ。

 AbemaTVは無料で楽しめるインターネットテレビ局を掲げた映像配信プラットフォームとして、2016年4月に開局、今年で4年目迎える。定額課金見放題や、都度課金が主流の映像配信業界に、テレビ局のような番組編成スタイルでの広告付き無料視聴の新しいビジネスモデルで挑んでいる。
 番組チャンネルは約20、ニュースや音楽、スポーツ、ドラマなどバラエティたっぷりだ。積極的な番組制作投資も続けており、映像配信業界の台風の目になっている。

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