「アニメ産業レポート2021」サマリー版無料配布開始、最新の図表が20点以上

アニメ産業レポート2021 サマリー(日本語版)

 一般社団法人 日本動画協会は、2021年11月4日に発刊した「アニメ産業レポート2021」のサマリー版の無料配布を開始した。サマリー版はPDFで全8ページ、公式サイトにて誰でもダウンロード出来る。
 「アニメ産業レポート」は毎年、日本のアニメを中心としたアニメ産業の統計や最新情報を、業界全体だけでなく、ジャンルごとにさら細分化してその動向をまとめる。数多くのメディア報道やレポート、さらにはアカデミックな研究などでも基礎資料として活用されている。

 レポートは全体で132ペーズ+カラー図表も含むなど、かなりのボリュームである。ただ重量級なこともあり、価格も税込み11000円となっている。
 サマリー版は本書のエッセンスをまとめたものだ。8ページながらアニメ産業市場、アニメ業界市場の推移から、国内外の市場比率、テレビアニメの制作分数とタイトル数の動向、配信売上高、劇場興行収入といった主要な統計を解説と共に紹介している。「日本のアニメの海外展開」「日本のアニメ制作会社の分布」まで含めて20点以上の図表も収録する充実ぶりだ。手際よく、最新の日本アニメのビジネス動向を知るのに力を発揮する。

 サマリー版にも掲載されている2020年の市場の目立った動きは、ひとつは2020年の世界の日本アニメの産業市場が2兆4261億円と前年比で3.5%減と11年ぶりにマイナスとなったことだ。新型コロナ感染症の影響が大きかったためだが、近年成長を続けてきたアニメ産業に冷や水を浴びせた。
 国内アニメ企業の売上高を集計するアニメ業界市場も2744億円で前年比9%減と縮小した。リテール市場となるアニメ産業市場よりも下げ幅がより大きくなっている。これはアニメ産業市場では引き続き海外市場が拡大し、国内の減少幅を縮めたためだ。またこれにより海外の日本アニメ市場は初めて日本国内市場を上回ったの2020年の大きなトピックだ。
 このほかアニメ配信がプラットフォームの成長に合わせて前年比で35%と大きく増加したことや、新型コロナの影響もありシリーズアニメと劇場アニメの制作が減少したことなども分かる。

日本動画協会 https://aja.gr.jp/
アニメ産業レポート2021 サマリー(日本語版)
https://aja.gr.jp/download/anime-industry-report-2021-summary_jp

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