AbemaTVがアニメ配信強化 声優番組等を増加で3チャンネル新設 1/3がアニメに

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 テレビ放送のような番組編成で、インターネットを通じて無料で映像作品を届けるAbemaTVが、2018年春にサービススタートから2周年を迎える。これに合せてさらなる番組強化を目指すが、その鍵は再びアニメになるそうだ。
 株式会社AbemaTVは3月8日、2周年に合わせた新たなチャンネルとして、「Abemaアニメチャンネル」「アニメLIVEチャンネル」「みんなのアニメチャンネル」の3つを4月1日からスタートすることを明らかにした。AbemaTVには、現在、ニュースやドラマ、スポーツなど20のチャンネルがあるが、このうち5つを「深夜アニメ」「なつかしアニメ」「家族アニメ」「新作TVアニメ」「アニメ24」といったアニメが占めている。ここに新たに3つが加わることで、8チャンネル体制となる。20あまりのチャンネルの1/3をひとつジャンルが占める異例の態勢となる。

 AbemaTVは“無料で楽しめるインターネットテレビ局”をコンセプトに、大手IT企業のサイバーエージェントとテレビ朝日によって設立された。新世代のメディアとして積極的に事業を進めている。
 番組・インフラへの豊富な予算投入で、2018年1月時点でアプリのダウンロード数は2600万を超えるなど認知度も利用も拡大している。 元SMAPのメンバーの生配信番組などでも話題を呼び、大きな成功を収めている。

 AbemaTVは当初より、数ある分野のなかでもアニメに力を入れていた。若者の人気があり、新作、旧作のタイトルも豊富なためだ。実際に同社のサービスの視聴者ランキングにもアニメ番組がタイトルを連ねるなど大きな成果を挙げている。今回のチャンネル増設は強い分野をさらに伸ばす戦略となる。
 これにより新作TVアニメの地上波先行・同時配信や、その本数を拡大する。アニメ業界ではかつて配信は、地上波テレビ放送を補完する役割と見られてきた。しかし、近年は先行配信・同時配信・ネット独占配信の登場で、その力関係は変わりつつある。AbemaTVの先行配信・同時配信強化は、動画配信の存在感の拡大という点で、業界全体にもインパクトが大きそうだ。

 アニメチャネル拡大によって、AbemaTVはアニメ関連のジャンルの多様性も目指す。「アニメLIVEチャンネル」は、声優生放送レギュラー番組やアニソンLIVEが売りになる。アニメ周辺エンタテインメントを取りこむ。「みんなのアニメチャンネル」は、『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』など国民的アニメを綿製する。ちらは視聴世代、ターゲットの拡大だ。
 ユーザーと視聴数の拡大は続くAbemaTVだが、業績面では巨額の投資もあり、スタートアップ段階特有の赤字が続いている。アニメチャンネルの拡大が経営にもたらすインパクトも注目される。

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