メディアドゥ通期減収減益、LINEマンガとの契約終了響く

ファイナンス決算

 電子書籍市場の拡大を成長を続けてきたメディアドゥの業績が、一息つくことになりそうだ。2023年4月13日に発表された同社の2023年2月期決算は、通期連結で減収減益となった。売上高は1016億6700万円の2.9%減少で、営業利益は23億9300万円(14.9%減)、経常利益は22億9100万円(17.6%減)、当期純利益は10億5700万円(33%減)だった。
 また2024年2月期についても売上高を1000億円(1.6%減)と今期並みと予測する。営業利益と経常利益はそれぞれ20億円、16.4%減と12.7%減のいずれもマイナス予想。当期純利益は11億円(4.1%増)だ。

 売上と利益の減少は、電子書籍流通事業の大口取引先であったLINE Digital Frontierとの契約終了が大きい。メディアドゥは同社のマンガ閲覧サイト「LINEマンガ」のバックエンド業務を受託していた。これが2022年より段階的にイーブックイニシアティブジャパンへ移管されている。この影響が2024年2月期まで続くとしている。
 一方でメディアドゥは、LINEマンガ関連の影響を除いた業績では、11.8%と二桁の成長だったとしている。電子書籍市場は依然成長を続けており、2025年2月期には売上高1200億円、27年2月期には1500億円と長期的な成長を目指す。 

 メディアドゥの主要事業は電子書籍取次で、売上高の9割以上を占めている。2200社を超える出版社200万点以上の書籍を150以上の電子書店に届ける。「Amazon Kindle」や「コミックシーモア」などが主力顧客となっている。2023年2月期は売上高943億3100万円(4.5%減)、営業利益52億4800万円(9.8%増)となった。
 戦略投資事業は出版や出版関連の支援、海外展開、販売・マーケティングなど、様々な戦略事業が含まれている。2023年2月期の売上高は73億3100万円と22.4%増となった。ただし利益面では14億6200万円の営業損失となった。現在の全体に対する売上高比率は8%程度、先行投資の側面が強い。2027年2月期までにはこの比率を75%まで引き上げる予定だ。メディアドゥの今後の収益の伸びの鍵のひとつになる。

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