メディアドゥ、連結売上高30%増 増収増益で成長続く

ファイナンス決算

 電子書籍流通の大手メディアドゥホールディングスは、4月14日に2020年2月期の連結決算を発表した。電子書籍の流通拡大に支えられ、増収増益の好調な決算となった。
 連結売上高は前年比30.2%増と前年の35.9%増に続き高い伸び。営業利益は18億5300万円(26.3%増)、経常利益は17億6100万円(18.0%増)、当期純利益は8億8400万円と黒字に転じた。

 売上げの多くは引き続き、アグリゲーションを中心とした電子書籍流通だ。LINEマンガやAmazon Kindleなどの電子書店への作品ディトリビューションをする。取引先出版社は2020年2月末時点で2000社以上、コンテンツ数は200万点以上にもなる。電子書籍流通事業の売上高は645億2900万円(28.7%増)、営業利益は18億6100万円(15.0%増)だ。
 メディアドゥは手堅い電子書籍流通事業からの利益を、積極的に新規事業に投資する。自社電子書店「コミなび」や電子図書館事業、ブロックチェーン技術を活用した新市場創出、英語圏のアニメ・マンガコミュニティサイト運営のMyAnimeListなどである。

 電子書籍流通と新規事業の成長で、メディアドゥホールディングスは今期(2021年2月期)も堅調な業績を見込む。連結売上高は770億円(17%増)、営業利益22億円(19%増)、当期純利益は11億円(24%増)である。
 コンテンツ業界全体では新型コロナウィルス感染症による業績への影響が大きいとされる。しかし電子書籍は室内でも楽しめる娯楽として今後利用の促進が予測される。コンテンツ業界を支える数少ない分野になりそうだ。

 また14日には、次期の取締役候補も明らかにされている。代表取締役の藤田恭嗣氏ら現取締役が重任する予定だ。駿田和彦氏は退任する。加えて執行役員でMyAnimeList, LLC CEOの溝口敦氏がCBDO (チーフ・ビジネス・ディベロプメント・オフィサー)として新任取締役候補にあがっている。5月28日の定時株主総会にて決定する。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 太素(TAISU)
     『カウボーイビバップ』の渡辺信一郎監督、『九十九』で米国アカデミー賞短編アニメーションにもノミネー…
  2. かがみの弧城
     本屋大賞に輝く辻村深月の『かがみの孤城』は、ベストセラーとして世代を超えて支持を集めてきた。学校で…
  3. クランチロール
    末平アサ氏(チーフコンテンツオフィサー)インタビュー  2021年8月にソニーグループが、米国に拠…
ページ上部へ戻る