劇場版「青春ブタ野郎」米国上映でアニプレックスとファニメーションが協力

映画

 アニプレックスの米国法人アニプレックス・オブ・アメリカ(アニプレックスUSA)と、北米アニメ配給の大手ファニメーションが映画館興行で協力する。2019年8月31日、両社は劇場アニメ『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』のイベント上映を共同で実施すると発表した。
 10月2日、3日は米国で、4日、5日はカナダの複数の劇場で上映する。両国を合わせて200スクリーン以上を予定する。

 『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は、鴨志田一の人気ライトノベル「青春ブタ野郎」シリーズを原作にしている。高校二年生の主人公・咲太が様々事件を引き起こす思春期症候群と、それにまつわる女性たちに巻き込まれていくファンタジーストーリーだ。
 2018年10月より『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』がテレビアニメ化され、若者から大きな支持を受けた。『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は、それに続く劇場続編になる。初恋相手の翔子が大人と中学生のふたつの心を持って現れたことで、咲太の心が揺れる。いずれもアニメーション制作はアニプレックスの子会社CloverWorksが担当している。
 日本では2019年6月15日に全国公開、興行収入3億7000万円のミドルヒットになった。北米ではまず上映イベントでファンの前に姿を見せる。

 注目されるのは、北米の日本アニメビジネス大手のファニメーションとアニプレックスが協力することだ。いずれも独自に作品配給を手がけており、ライバル企業が手を組むことになる。両社がアニメの劇場配給で共に取り組むのは、これまでほとんど例がない。
 アニプレックスはソニーミュージックグループの映像事業会社、またファニメーションは2017年7月に同じソニーグループのソニー・ピクチャーズ・テレビジョン・ネットワークの傘下となっている。こうしたつながりが、新しい取り組みを実現させた可能性がありそうだ。
 一方で同じグループでありながら距離があるとされてきたソニー・ミュージックソニー・ピクチャーズが北米アニメ市場で今後どのように取り組むかが注目されてきた。今回の協力は、そうした点からも関心を呼びそうだ。

 テレビシリーズ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』は、現在北米でファニメーションの運営するアニメ配信サービスFunimationNow、クランチロール、Huluで配信されている。またブルーレイ北米版は11月19日にアニプレックスより発売される。

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