国際コンテンツ見本市JCS 、4日間を盛況で閉幕 アジアビジネスのハブ役に期待

Japan Content Showcase 2016

10月24日から27日まで、東京・お台場と渋谷で開催されたJapan Content Showcase 2016(JCS 2016)が盛況のうちに閉幕した。出展企業・団体は356、参加バイヤーは19ヵ国・地域より1539名と順調に拡大し、過去最高を記録した。
出展ブースが年々拡大していることから、2016年は音楽部門のTIMMを渋谷に移転、お台場は映像コンテンツ企業が中心となった。それでも会場は休憩スペースやミィーティングスペースはほとんどなく、スペースギリギリまでブースとして販売したことが分かる。裏を返せば、それだけ売れ行きも好調だったということだ。期間中は、会場で打ち合わせする多くのビジネスパーソンの姿が見受けられ、成功を印象づけた。

それでもJCSは、フランス・カンヌのMIPCOMや米国・サンタモニカのAFMなどに比べれば、世界の中では中堅規模の国際マーケットに過ぎない。そして、さらなる成長を目指すためには、課題は少なくない。
ひとつは開催時期の問題で、2016年で言えば10月16日から19日のMIPCOMと11月2日から9日までのAFMの狭間となり、世界のバイヤーが訪れるには厳しいスケジュールになっている。JCSに欧米のバイヤーが少ないのは、この日程と無関係でないだろう。ヨーロッパから見ればMIPCOMで、米国から見ればAFMでビジネスが出来るから、わざわざ日本に来る必要はない。
東京国際映画祭の併設マーケットという位置づけも微妙だ。映画祭のために来日した海外関係者やメディアが足を向ける相乗効果を期待するものだが、映画祭を目的にした海外からの訪問は必ずしも多くない。国際映画製作者連盟公認の映画祭ではあるが、世界的にはいまひとつメジャーになれない東京国際映画祭の存在は、むしろマーケット拡大の制約要因になりかねない。

それでもJCSが成長するのは、ひとつはアジアのマーケットとの位置づけにある。アジアの国際マーケットは香港フィルマートが有名だが、3月開催はJCSとはちょうど半年ずれて相互の影響が少ない。釜山のアジア・フィルム・マーケットは一時期、JCS(TIFFCOM)のライバルとも目されたが、来場者数、出展数とも伸び悩み、現在はJCSの優位が明白だ。アジア各国間での取引の場として、JCSが期待されていると言えそうだ。
そこで興味深かったのは、期間中開催されたふたつのセミナーである。ひとつは欧米のプロデューサーによるシンポジウムJETROビジネスセミナー「欧米市場のトレンドと国際共同製作」、もうひとつは日中のプロデューサーによる「中国映画市場を解読せよ!ー中国トッププロデューサーに聞く」である。
前者は欧米の登壇者らが日本とのビジネスが出来ない理由をダメ出しのごとく列挙する、かなり憂鬱なトークに終始した。つまり、日本とはビジネスをしたくないという主張だ。一方、中国のほうのセミナーでは、課題は多いがハリウッドに対抗するにはアジアが手を組む以外の方法はないという趣旨である。これらはごく一部の例でしかないが、JCSにアジアから参加者が多く、欧米から少ない理由を示しているようにもみえた。

そして、もうひとつ、やはりアニメの存在感は無視できない。JCS 2016のお台場会場を占めたのはTIFFCOMともうひとつ、アニメをテーマにしたTIAFである。しかし、TIFFCOMの参加企業の多くも、アニメを多くセールスしており、アニメ作品はかなり目につく。
アニメ関係者からは春のAnime Japanの時期とJCSは、海外ビジネスには外せないとの声が聞かれた。実際にアニメ関連の海外バイヤーも、JCSの時期に必ず日本を訪れるケースが多い。作品数も多く、売買も多いアニメは、JCSを牽引するジャンルだ。アニメのバイヤーは必ずしもアニメだけをビジネスとしているわけでない。アニメが得意とするインタラクテイブコンテンツやSF、ファンタジーなどのジャンルからマーケットを広げていくことは可能なはずだ。
そして、日本から海外に売るだけでなく、海外の企業が日本に売る、海外企業同士のトレードが成立する、そんな循環を築くことが重要だ。そうなればJCSはアジアの映像コンテンツビジネスのハブとして、まだまだ成長できるはずだ。

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