大手アニメ製作会社サンライズが、アニメ音楽事業を強化する。サンライズが100%出資するサンライズ音楽出版は、2018年秋よりアニメ音楽の新レーベル「SUNRISE Music Label」をスタートする。
サンライズ音楽出版は、2002年に音楽著作権・原盤管理会社としてサンライズからスピンオフするかたちで設立された。サンライズ、そしてバンダイナムコピクチャーズのアニメ作品の音楽を多く管理する。「哀・戦士」『機動戦士ガンダム』、「Get wild」『シティーハンター』、「Tank!」『カウボーイビバップ』、「あんなに一緒だったのに」『機動戦士ガンダムSEED』などの代表作がある。
これまでこうした楽曲の著作権・原盤管理が主な業務であった。しかし今回は新レーベルを立ち上げることで、自ら楽曲をリリースし、事業拡大を狙う。アニメ作品とより連動させることで出来るのが強みだ。
すでにリリースタイトルも決まっている。ひとつはこの秋から放送がスタートしたテレビアニメ 『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』の オープニング主題歌「ステレオとモノローグ」。新アーティストの霧雨アンダーテイカーを抜擢した話題曲だが、制作・プロデュース・発売元がSUNRISE Music Labelになる。2018年12月5日にリリースする。
もうひとつは女児に人気の『「アイカツ!』 のピクチャーレコード「カレンダーガール」。シリーズ初のアナログ盤での楽曲発売となる。アナログ盤ということで、コアなファンの取り込みも念頭にありそうだ。
サンライズはバンダイナムコホールディングスの中のアニメ企画・制作事業を手がける主要企業。「ガンダム」シリーズで知られるサンライズのほか、2015年に設立されたキャラクタービジネスの作品を中心としたバンダイナムコピクチャーズも子会社としている。現在はアニメ企画・制作だけでなく、IP創出企業を掲げており、自社が保有する楽曲の活用もその流れのひとつといえる。
一方、バンダイナムコホールディングス全体に目を移すと、同じグループ内にはアニメの映像・音楽ソフトを事業とするバンダイナムコアーツがある。2018年4月にバンダイビジュアルとランティスが合併して誕生したバンダイナムコアーツは、アニメ音楽では業界有数の存在だ。
バンダイナムコアーツは2017年9月にアクタスを子会社化し、アニメーション制作に進出したばかり。さらに今回のサンライズのアニメ音楽事業の進出も含めて、両社の事業の重複が増えている。グループ全体の効率化を考えるなかでは気になる動きだ。