プロダクションI.G年間売上高40億円、WIT STUDIOは16億円


 アニメ製作大手のIGポートが8月28日に公開した2019年5月期有価証券報告書から、同社のグループ主要会社の業績が明らかにされている。
 IGポートの連結決算対象の子会社は全部で10社。アニメーション制作がプロダクション I.G、ジーベック、ウィットスタジオ、シグナル・エムディの4社で、出版事業がマッグガーデン、リンガ・フラカの2社になる。海外子会社は米国カリフォルニアの現地法人、カナダのProduction I.G Canadian Bureau Inc.も存在する。
 売上高と利益を報告するのは、このうち連結売上高比率10%を超えるプロダクション I.G、ジーベック、ウィットスタジオ、マッグガーデンの4社となる。シグナル・エムディは含まれない。

 IGポート全体では連結決算で増収赤字であったが、グループ各社の業績はまちまちだ。4社のうちグループで売上高が最も多いのはプロダクション I.Gの40億2400万円となる。ただし経常損失が2億1300万円、当期純損失は2億1700万円と赤字だ。
『進撃の巨人』などで知られるウィットスタジオは売上高16億円で経常利益が1900万円。当期純損失が1億1500万円になったのは、期中に1億3100万円の減損損失を計上したことが響いた。
 また6月にプロダクションI.Gに吸収合併となったジーベックも売上高を公表している。年間売上は14億4300万円で経常利益が2400万円。当期純利益は2億9000万円となったが、これは2019年4月にサンライズに制作事業の一部譲渡した際の売却益が計上された影響とみられる。
 マッグガーデンは売上高13億9100万円。経常利益が1億3800万円、当期純利益が8400万円と安定している。電子書籍の売上が牽引している。

 IGポートの決算の特長に、アニメ製作会社ならではの出資比率の高い製作委員会を子会社としていることがある。グループ出資比率が50%を超えるCYBORG009 CALL OF JUSTICE 製作委員会と魔法使いの嫁製作委員会のふたつが連結子会社となっている。
 このほか「あまんちゅ!~あどばんす~」「銀河英雄伝説」「蒼穹のファフナー THE BEYOND」「甲鉄城のカバネリ海門決戦」「The Black Prince」「劇場版ときめきレストラン☆☆☆」「四月の永い夢」の各製作委員会7つを持分適用会社としている。前年度まで持分適用会社であった「甲鉄城のカバネリ」「あまんちゅ!」「黒子のバスケ総集編」「義経千本桜」「ブレイブウィッチーズVR」の5つの製作委員会は、決算に与える影響が軽微なため今期より持分適用から除外した。

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