エンタテイメント大手のKADOKAWAは、2019年8月30日付で川上量生氏より同社の発行済株式の2.99%にあたる189万2700株を立会外買付取引で自己株取得することを明らかにした。取得価格は8月29日の東京証券取引所の終値1585円で、取得価額の総額は約30億円になる。
川上量生氏はKADOKAWAの取締役で、2014年に同社と経営統合したドワンゴの大株主だったことから、現在KADOKAWAの筆頭株主になっている。2019年3月31日時点で、発行済株式の8.77%を保有していた。
今回の売却で持株比率は5%台に下がるとみられる。しかし大株主2位、3位は年金や資産管理銀行となっており、さらにいずれも持株比率は5%以下となる。今回の株式売却後も川上氏は大株主1位にとどまる。他の大株主ではNTTが第4位3.15%、バンダイナムコホールディングスが第6位2.36%、NTTドコモが第9位1.86%。川上氏は残りの株式については今後も継続保有する方針と、KADOKAWAはしている。
KADOKAWAは今回株式を自己株式として取得したのは、市場へ与える影響を低減させるためとしている。一挙に株式が市場に放出されることで、株式価格が大きく変動することを避けた。同時に資本効率の向上 による株主還元の一貫ともしている。