エイベックス第1Q、アニメ事業急伸「ゾンビランドサガ」「キンプリ」が牽引

ファイナンス決算

 音楽・映像大手のエイベックスは、8月8日に2020年3月期第1四半期の決算を発表した。4月から6月までの連結売上高は290億2800万円と前年同期比で10.1%の減少だった。音楽事業でライブ公演数が減ったほか、音楽パッケージの販売も伸びなかった。
 営業利益はアニメ・映像事業が好調だったのに加えて映像配信サービスのコスト削減もあり、3億6600万円(136%増)。しかし経常利益は1億2100万円(50.1%減)、最終的には当期純損失が3億4800万円となった。営業外費用と特別損失が響いた。

 実写映画を強化していることから今期よりアニメ事業からセグメントの名称を変更したアニメ・映像事業は好調だった。売上高は34億7700万円(39.6%増)と大きく切り返した。また営業利益も前年同期の1億9700万円の損失から5100万円の利益となった。
 売上高、利益の伸びはヒット作品が牽引した。アニメ映像ソフトの売上高の伸びが特に目立った。期間中のDVD/Blu-rayの売上げ枚数は10万9000枚と前年同期の11万2000枚とほぼ同じだったが、平均単価が5007円から7401円に大きく伸びたのが大きかった。売上高は10億6500万円(42.2%増)である。『ソンビランドサガ』、『KINGOF PRISM-Shiny Seven Stars-』が主力作品となった。
 非パッケージ部門のシェアは依然大きい。全体の約7割を占め売上高24億1400万円(38.7%増)だ。『えいがのおそ松さん』の配給収入やイベント収入が増収増益につながった。

 音楽事業は売上高223億700万円(13.5%減)、営業損失3億1500万円。主力のライヴ事業が13.7%と二桁減となったほか、マーチャンダジング、Eコマース、音楽パッケージも弱かった。一方で音楽配信とファンクラブ収入が伸びた。
 デジタル部門は自社映像配信サービスは会員数が減少して売上高は38億2700万円の16.8%減と下げ幅は大きかった。しかし販管費の減少で7億円(73.6%増)の利益を確保した。

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