コンサートやライブ、舞台などのライブエンタテイメント市場が、再び成長軌道に乗りつつあるようだ。ぴあ総研は、2018年8月31日に2017年度のライブ・エンタテインメント市場規模を発表した。これは国内の主要な音楽・イベント・公演団体及び関連企業からなるライブ・エンタテインメント調査委員会に委託により実施したものである。
ぴあ総研によれば、2017年度のライブ・エンタテインメント市場規模は、前年比2.7%増である。これは調査を開始した2000年以降で最高の金額となる。このうち音楽ライブは3466億円(2.8%増)、ステージ公演は1685億円(2.6%増)だ。
また動員数は6869万人の3.5%増である。公演回数は前年比1.9%減だが、1公演当たり動員数が増加した影響が大きかった。
長らく成長を続けていたライブエンタテイメント市場だが、2016年には5年ぶりにマイナス(2.0%減)となっていた。これは横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナなどの大規模会場が改修で相次ぎ、公演の回数が抑えられていたためだ。需要の高さに会場の数が追いつかない「ライブ会場不足問題」が直撃したかたちだ。
2017年はそうした影響を乗り越え再び伸び始めている。2016年だけでなく、その前年2015年も超え過去最高となった。
ぴあ総研では、すでにアニメ・マンガ・ゲームなどから派生する2.5次元ステージも算出している。こちらの2017年1月から12月までで156億円のチケット販売があった。ライブエンタテイメント全体の3%程度のマーケット自体は必ずも大きいわけでない。
しかし注目されるのは、伸び率の高さだろう。前年比で20%超の拡大で、5年前の倍以上である。公演タイトル数も、2010年前後の30本台から2017年には171本になった。さらに今回の算出された数字には、購買単価が極めて高いとされる会場物販や、急激に普及するライブビューイングは含まれていない。今後も注目のジャンルと言っていいだろう。