映画事業大手の東宝が、2022年10月1日付で組織の大幅な再編とそれに伴った執行役員の担当変更を決定した。
大きな変更は新たにエンタテイメントユニットが設けられることだ。「映画」「演劇」「アニメ」の3つの事業をそれぞれ本部として、エンタテイメントユニットが統括する。エンタテイメントユニットに並んで不動産本部と内部管理のコーポレート本部が置かれる。
現在のエンタテイメント事業は、映像本部と演劇部の2つから構成されている。映像本部の下に映画営業部、宣伝部、映画調整部、映画企画部、国際部、映像事業部、デジタル・コンテンツ営業部の7つの部がある。
新しい組織では、映画本部の下には映画営業部、宣伝部、映画調整部、映画企画部の4つが置かれる。劇場用映画の企画開発・製作・配給・宣伝を担当することになる。
映像事業部の中にあったアニメ事業とゲーム事業は、アニメ本部として独立させる。アニメ本部の下にはTOHO animationが置かれる。
国際部、映像事業部、デジタル・コンテンツ営業部はエンタテイメントユニットの直轄部署とする。また事業統括部が新設され、各部署のライツ管理・契約管理・収支管理を一元化する。業務の効率化と高度化を目指す。
今回の組織変更は、今年4月に策定し発表した「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」に沿ったものだ。このなかで東宝は、「映画」「演劇」「アニメ」「不動産」の4つを経営の柱にするとしていた。そこで成長著しいアニメ事業を一挙に本部として引きあげたかたちだ。
アニメ事業は常務執行役員でエンタテインメントユニットアニメ本部長、アニメ本部 TOHO animation 担当の大田圭二氏統括する。大田氏はアニメ本部のほか映像事業、デジタル・コンテンツ事業も担当する。
エンタテイメントユニット全体は、社長執行役員である松岡宏泰氏が自らエンタテインメントユニット長になる。また国際担当、内部監査室も松岡氏が掌握する。さらにデジタル戦略を推進するTOHO Digital Lab.を新設し、社長直轄組織とする。
映画本部は専務執行役員の市川南氏が本部長となる。映画調整、映画企画も担当する。演劇本部は常務執行役員の池田篤郎氏が本部長となる。