売上高288億円ブシロード上場へ、TCGからIP企業に脱皮中

ファイナンス決算

 ブシロードが株式上場することになった。6月25日、東京証券取引所はブシロードの東京証券取引所マザーズ市場の上場申請を認可、2019年7月29日に上場すると発表した。
 ブシロードは2007年5月に木谷高明氏がトレーディングカードゲーム(TCG)事業会社として設立。それまで十分開拓されてなかった国内TCG業界で基盤を作ることに成功、急成長を遂げた。木谷氏にとっては2001年のブロッコリーに続き、創業企業2社目の上場になる。
 現在は東京中野区の中野坂上に本社を持ち、直近の2018年7月決算の売上高は288億8900万円、経常利益は29億9600万円。三期連続黒字と業績も安定している。特に目を惹くのは直近3期の成長の早さだ。2017年3月期の売上高150億円から、186億円、227億円、288億円と年々売上げを伸ばし、4年間でほぼ倍になった。

 近年の成長の秘密は、業態の変化である。それまでの中核事業TCGだけでなく、音楽、スマホアプリゲーム、商品展開、アーティストマネジメントなど幅広いエンタテインメントに事業領域を広げてきた。アニメにも製作出資する。2012年には新日本プロレスを子会社化、その事業立て直しでも注目を浴びた。
 子会社9社も含めて、コンテンツの権利ビジネスを全方位で展開する。中核事業をIPビジネスに切り替えるとしている。その代表作には年間売上高40億円を超える『バンドリ!』、『カードファィト!!ヴァンガード』、さらに『少女☆歌劇 レビュースタァライト』などがある。

 上場にあたっては発行済株式約1360万株のうち既存株主の所有する約225万株を売り出し、あわせて210万株を公募増資する。
 設立以来成長を続けるブシロードだが、業界では当初、同社は上場を目指さないのでないかとみられていた。しかし創業10年を超えた時点での上場は、事業急拡大による資金需要が増していることも理由にありそうだ。同社はコンテンツ業界に新しいビジネスを打ち立てようとしており、それには新たな資金が必要になる。例えば主力タイトルの「ヴァンガード」のアニメ作品では、これまで製作委員会による製作資金の一部出資あったが、2018年には自社一社出資に切り替えた。
 公募価格、公開価格が決定するのは7月19日であるが、かなりまとまった資金調達が見込まれる。これで新しい事業への投資が可能になる。さらに今後は証券市場を活用することで資金調達もより機動的になる。

 株式売出しでは創業者の木谷高明氏のほか、グリーも所有株式を放出する。グリーは2016年10月に業務提携を目的に約4億4000万円でブシロードの株式のおよそ11%を取得した。しかし上場を機会に投資資金の一部を回収する方針に変えたようだ。
 放出株数は木谷氏の65万株を上回る90万株。これはグリーの持ち株の半分以上で、公募増資も含めるとグリーの持株比率は大きく低下する。

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