インターネット事業の大手DeNAは、自社事業のひとつアニメ・マンガ・ゲームなどのニュースアプリ「ハッカドール」のサービス提供を2019年8月15日に終了すると発表した。それに先立ってアニメリストの更新や、有料課金のプレミアムマスターサービスなどを順次終了する。
DeNAはサービス継続のために、2018年よりニュースアプリ機能強化など様々な試みをしてきたという。しかしこのほどサービスを続けてくのは難しいと判断し、今回のアプリサービス終了を決定した。DeNAは5月11日に2019年3月期を発表したばかりで、減収減益だった。
ハッカドールは2014年8月に、アニメ・マンガ・ゲームに特化したニュースアプリとしてリリースされた。当時、ウェブに大量に流されるニュースをひとつにまとめるアプリが広がるなかで、それをサブカルチャー分野専門とするアイディアが話題になった。
配信されるニュースは自社ニュースや他社との契約に基ずくものでなく、既存のニュースサイトの見出しとリンクを抽出することで、相手のニュースサイトに飛ばす仕組みになっている。サービスの売りは、「ハッカドール」独自のニュースのピックアップ基準であった。様々サイトのニュースをまとめてチェック出来ることから、アニメファン、ゲームファンの利用も多かった。
一方で、サービスの仕組みから広告が充分に掲載できず、また一般的なニュースアプリよりテーマがニッチなことから利用者が限られており、収益化に苦戦したとみられる。有料会員サービスのプレミアムマスター機能の導入も、収益化の取り組みのひとつである。
またサービスのマスコットキャラクターであるハッカドール1号、2号、3号の制作、キャラクタービジネスも試みている。キャラクターたちはマンガ化され、2015年秋には『ハッカドール THE あにめ〜しょん』としてテレビアニメ化もされている。しかしマンガ、アニメとも2016年以降は、徐々に活動が収束していた。
「ハッカドール」のサービス終了は、インターネットにおけるアニメやマンガ情報のビジネスの難しさの一端を示したかたちだ。