出版大手の集英社とITエンタテイメント大手のDeNAが、事業開発で協力関係を強化する。2019年1月29日、両社は共同出資の新会社設立で合意したことを明らかにした。
新会社は「株式会社集英社DeNAプロジェクツ(仮称)」として、資本金は1億円、DeNAが51%、集英社が49%を出資する。代表取締役社長はDeNA執く。
集英社DeNAプロジェクツの役割は、エンタテインメント領域での共同事業となる。両社の強みを活かした国内及び海外向けの新たなデジタルエンタテインメントサービスの共同開発などを目指す。具体的にはIP(知的財産)を活用したゲームを挙げている。
「週刊少年ジャンプ」などの有力マンガ誌を刊行する集英社は、多くの人気作品・キャラクターを保有する。一方でDeNAはネットやスマホ向けのゲーム、コンテンツサービスを得意とする。これらを融合させることで、他にない強みを発揮することになる。
アプリゲームやマンガ、動画配信などスマートフォンを中心としたエンタテイメントは、いまや巨大な産業を形成する。しかしスマホ向けの独自のノウハウもあり、既存の大手エンタテイメント企業であっても、新規参入は容易ではない。
一方のスマホ業界は様々分野で競争が激化しており、事業投資へのリスクが高まっている。そのなかで既存の人気作品やキャラクターを使ったサービスやゲームは安定した収益が期待出来る分野だ。
そこに集英社とDeNAが手を結ぶメリットが生まれる。強者連合ともいえる共同出資会社の設立が、今後どのような事業につながるか関心を集めそうだ。