楽天がハリウッド映画に投資 日本で映画配給会社も共同設立

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 ネット企業大手の楽天が、映画事業、しかもハリウッドビジネスに進出することが明らかになった。2019年5月19日、楽天は米国ロサンゼルスの映画会社The H Collective, Inc.がプロデュースする2本の映画『Brightburn』と『xXx 4』に出資したことを明らかにした。
 また両社は共同出資で、日本で映画配給会社を設立する。ハリウッド発の映画を協力して、日本で公開する。楽天にとってはハリウッド映画製作への進出、国内では映画配給事業に進出と、同時に二つのチャレンジとなる。

 The H Collectiveは2017年に設立されたばかりだが、グローバル規模で映画の資金調達や制作、マーケティング、配給を手掛ける。規模は決して大きくないが勢いがあり、『Brightburn』が世界規模で手がける初作品となる。
 『Brightburn』はジェームズ・ガンがプロデュース、サム・ライミ版『スパイダーマン』などで知られるエリザベス・バンクスが主演するホラー映画。米国ではソニー・ピクチャーズが配給する。また『xXx 4』はヴィン・ディーゼル主演の「トリプルX」シリーズ4作目で、アクションたっぷりの映画だ。

 さらにもう一本劇場アニメーション映画も予定している。こちらの作品は『Spycies』で、擬人化された動物のエージェントが活躍するスパイアクションもの。フランスのギヨーム・イヴェルネルが監督を務めた。The H Collectiveが出資するほか、中国の動画配信プラットフォーム大手のアイチーイーがプロデュースする。
 近年日本では、ディズニー、ピクサー、イルミネーション以外のスタジオのアニメーション映画公開が少なくなっている。楽天とThe H Collectiveの新会社は、日本での海外アニメーションの配給拡大にも貢献しそうだ。

 国内の映画配給は、東宝とそのグループ会社が大きな力を持っている。海外映画会社でもディズニーとワーナー以外の配給は苦戦している。楽天はこの厳しい競争に参入することなる。
 国内展開あたっては、楽天が提供している様々なサービスと連携することで差別化する方針だ。ネットの大手企業がいかに映画業界で戦うのか? それも大きな関心を集めそうだ。

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