東京アニメアワードフェスティバル実行委員会は、2019年の映画祭の一環として第14回功労部門の受賞者を発表した。アワードは長年アニメ業界に貢献してきた人物や企業・団体を顕彰する目的で、毎年実施している。
今回の受賞者は、大河原邦男氏(デザイナー)、小林治氏(アニメーター・演出)、酒井あきよし氏(脚本家)、杉山佳寿子氏(声優)、高橋茂人氏(プロダクション経営)、高橋宏固氏(撮影監督)、鳥海永行氏(監督)、二宮常雄氏(アニメーター)、深沢一夫氏(脚本家)、堀江美都子氏(歌手)の10名。アニメ制作の現場から声優・アーティスト、さらに経営者と幅広い分野からの選出となった。鳥海氏は2009年に逝去しており、故人での受賞となる。
東京アニメアワードフェスティバルの功労部門は、2005年に東京国際アニメフェアと連動する特別功労賞としてスタートした。2014年からは東京アニメアワードフェスティバルが引き継いでいる。
それまで年ごとの作品やスタッフを対象としたアニメ分野の賞はあったが、長年にわたる業績を幅広く顕彰するものがなかったことから誕生した。当初より日本アニメ草創期の制作スタッフやプロデューサー、原作者、歌手、声優、研究家などから選ばれている。その受賞者は日本のアニメ史を一望するものになっている。
今回も長年業界で活躍してきた人物が並んだ。大河原邦男氏は「機動戦士ガンダム」シリーズのモビルスーツのデザインで著名。武骨なロボットからコメディタッチのメカまで幅広くこなす。
小林治氏は『新・ど根性ガエル』など、二宮常雄氏は『いなかっぺ大将』などの作画で知られてきた。脚本家からはふたり、『新造人間キャシャーン』などの酒井あきよし氏と『太陽の王子 ホルスの大冒険』などの深沢一夫氏である。鳥海永行氏は『ニルスのふしぎな旅』、『科学忍者隊ガッチャマン』といったヒット作の監督や演出を務めた。
声優の杉山佳寿子氏は『アルプスの少女ハイジ』のハイジ役などでその声が広く知られている。女性アニソン歌手のパイオニアのひとりである堀江美都子氏は『キャンディ・キャンディ』ほかでお馴染みだ。
また高橋茂人氏は国内有数の歴史を持つアニメーション制作会社TCJ(現エイケン)でキャリアを重ね、その後は株式会社瑞鷹を設立。『アルプスの少女ハイジ』などを製作した。撮影監督の高橋宏固氏も自ら撮影会社高橋プロダクション/ T2 studiを設立している。現在も会長を務めている。
功労部門の授賞式は東京国際アニメアワードフェスティバルで実施される。またフェスティバルでは、各受賞者の業績を紹介する展示も予定している。
東京アニメアワードフェスティバル 2019は3月8日から11日まで池袋周辺を会場に開催される。期間中は長編・短編のコンペテイション作品の上映のほか、様々な企画上映や展示イベントなども用意する。
【東京アニメアワードフェスティバル2019アニメ功労部門 顕彰者】
■大河原邦男
■小林治
■酒井あきよし
■杉山佳寿子
■高橋茂人
■高橋宏固
■鳥海永行
■二宮常雄
■深沢一夫
■堀江美都子