エンタテイメント大手のカドカワが、組織再編に伴い社名を変更する。グループの持ち株会社の役割を持っていた上業企業カドカワが、2019年7月1日付で商号をKADOKAWA(新)に変える。
また同日付でこれまでカドカワの子会社であった出版・映像・ゲーム事業のKADOKAWA(旧)の主要事業は分割されKADOKAWA(新)に移される。KADOKAWA(新)がグループ全体の持ち株会社の役割を果たす。
さらにKADOKAWA(旧) は名称をKADOKAWA Future Publishingに変更、出版製造・物流に特化した中間持株会社となる。
今回の変更は、今年2月にドワンゴを中心にした再編で複雑になった組織をシンプルに統合し直す狙いがありそうだ。
2月の組織再編では、業績不振のドワンゴをKADOKAWA(旧)の子会社として、その事業をKADOKAWA(旧)に集約した。ドワンゴはカドカワの孫会社になり、さらにその子会社のMAGESやバンタン、スパイク・チュンソフトがカドカワのひ孫会社と組織が4層と複雑となっていた。今回はカドカワとKADOKAWA(旧)が事実上統合することで、この階層をひとつ減らすことになる。同時にドワンゴの事業運営におけるKADOKAWA(旧)の主導が強まる。
KADOKAWA(新)は、映像・出版・ゲーム・ウェブ分野のKADOKAWA Future Publishing、ドワンゴ、ブックウォーカー、フロム・ソフトウェア、ムービーウォーカー、角川大映スタジオ、YEN PRESS、Gz ブレイン、Connected KADOKAWAなどを子会社にする。孫会社も含めて56社を統括する。
KADOKAWA(新)の経営は、代表取締役社長の松原眞樹氏、6月20日に新たに就任する代表取締役副社長の井上伸一郎氏らが執ることになる。取締役会長の角川歴彦氏も現役職にとどまる。