大手アニメ企業アニプレックスは、同社の米国法人アニプレックス・オブ・アメリカ(Aniplex of America Inc.)の新しい社長に西本修氏が6月21日に就任したことを発表した。西本氏は前社長の後藤秀樹氏を引き継ぎ、北米市場での日本アニメビジネスの拡大を目指す。
一方、後藤氏は6月19日付で、アニプレックス本社の執行役員に就任した。日本から米国を含む海外事業全体のトップとして、引き続きアニメのグローバルビジネスに携わる。
新社長の西本氏は、2009年にマーケティング部門の担当者としてアニプレックスに入社。2014年にアニプレックス・オブ・アメリカに異動、以来、米国カリフォルニアで日本のアニメビジネスに携わった。この間に、AmazonやNetflix、Huluといった映像配信プラットフォームとのパートナーシップなどで大きな役割を果たした。
アニプレックスは既に北米のファンからも認知度の高い企業だが、西本氏とアニプレックス・オブ・アメリカは、さらなるビジネス開拓を目指す。当面は6月25日に配信をスタートしたスマホアプリゲーム『Fate/Grand Order』に注力することになりそうだ。さらに『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』の劇場公開やテレビアニメ『活撃 刀剣乱舞』の展開が控えている。
アニプレックス・オブ・アメリカは、2005年にカリフォルニア州のサンタモニカに設立され10年を超える歴史を持つ。自社作品のライセンス販売からスタートし、Blu-ray/DVDの現地語版の発売、商品販売、劇場配給、イベント主催など、その事業領域を着実に広げている。
2000年代半ばの北米における日本アニメの不況から、現在のリバイバルにおける立役者のひとつである。また、アニメ企業の海外直接進出がまだまだ少ないなかで、海外進出の成功モデルとなっている。