2020年映像ソフト市場6874億円、配信がパッケージ販売・レンタルを逆転

ファイナンス決算

 一般社団法人日本映像ソフト協会と文化科学研究所の調査「映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査2020」によれば、2020年の国内映像ソフト市場は前年比6874億円であった。21.9%増と大きな伸びになった。
 DVDやブルーレイのパッケージ商品の販売(セル)、パッケージ商品のレンタル、そして有料動画配信を含めた合算は3年連続の増加である。パッケージ販売とレンタルは引き続き減少したが、有料動画配信の急拡大がそれを上回った。

 有料動画配信市場は定額課金見放題の大手プラットフォームが牽引し3937億円と、前年比65.3%増と大きく成長している。一方でパッケージ販売は1860億円(5.9%減)、パッケージレンタルは1041億円(17.3%減)。特にレンタルの落ち込みが引き続き厳しい。
 パッケージ販売とレンタルを合算すると2901億円で、初めて有料動画配信を下回った。有料動画配信はパッケージ市場の1.35倍と、一挙に映像ソフト市場の中心となった。有料動画配信サービスの利用者は調査全体の27%になり、パッケージレンタルの20.3%、購入の15.6%を上回る。

 有料配信の中心は定額課金見放題サービスである。有料動画配信サービス利用者の9割以上が利用している。また利用する事業者では「Amazonプライムビデオ」「Netflix」「Hulu」が上位3つを占めている。
 さらに利用ジャンルでは「海外映画」(49%)、「邦画」(48.4%)、「日本アニメ」(44.7%)がトップ3となった。ただし視聴本数では「日本アニメ」がトップで、シリーズ作品が多いこともあり、視聴時間ではアニメが優位にありそうだ。

日本映像ソフト協会
http://jva-net.or.jp/

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