朝日新聞社は、2019年2月25日に、第23回手塚治虫文化賞のマンガ大賞最終候補を決定、発表した。ノミネートは11作品、『あれよ星屑』(山田参助)、『海街 diary』(吉田秋生)、『彼方のアストラ』(篠原健太)、『健康で文化的な最低限度の生活』(柏木ハルコ)、『さよならミニスカート』(牧野あおい)、『その女、 ジルバ』(有間しのぶ)、『ダルちゃん』(はるな檸檬)、『凪のお暇』(コナリミサト)、『フラジャイル』(原作:草水敏、漫画:恵三朗)、『ましろのおと』(羅川真里茂)、『約束のネバーランド』(原作:白井カイウ、作画:出水ぽすか)だ。
このなから8人の社外選考委員と、朝日新聞担当者を含めた10人でマンガ大賞、新生賞が選ばれる。これとは別に短編賞と特別賞も選出する。発表は4月下旬ごろ、 朝日新聞紙上と朝日新聞デジタルで予定する。
手塚治虫文化賞は、日本のマンガ文化に大きな業績を残したマンガ家手塚治虫を記念して1997年に創設された。過去1年間に日本国内で発表された優れたマンガ作品を顕彰する。マンガ作品を対象にしたアワードのなかでも、最も注目されるひとつである。
社外選考委員の投票と書店員・マンガ関係者・読者からの推薦をもとに最終選考作品を決定。その後、マンガ家や評論家、文化人などを中心に最終選考を実施する。選考過程をオープンにし、また商業的なヒット作とは違う評価をすることで存在感を発揮している。
第23回も様々ジャンルから、特長たっぷりの作品が候補に並んだ。関係者推薦1位と幅広い支持を集めたこのが『海街 diary』。2008年から2011年まで3年連続候補にあがり、今回は8年ぶり候補である。昨年夏に「月刊フラワーズ」(小学館)での連載が終了したことで、あらためて推したい声が高まったようだ。
『約束のネバーランド』は昨年に続き候補入り、手塚治虫文化賞は前回の『ゴールデンカムイ』のように何度か最終候補になったあと、受賞するケースも少なくない。その意味でも期待作とみてよさそうだ。
前回大賞の『ゴールデンカムイ』は2018年にシリーズアニメ化され、テレビ放送されたのが話題呼んだ。また新生賞の『BEASTARS』は先頃、新進のCGスタジオのオレンジによるテレビアニメ化が発表されたばかり。
過去受賞作は他にもアニメ化され話題となったものが少なくない。アニメのトレンドを考えるにも見逃せないアワードでもある。今回候補となったなかでも、『約束のネバーランド』はすでにアニメ化され今年1月からテレビ放送されている。『彼方のアストラ』もアニメ化決定が発表されている。今後も、リストの中からアニメ化がでてくる可能性は高いだろう。
【第23回手塚治虫文化賞最終候補作品】
http://www.asahi.com/shimbun/award/tezuka/
『あれよ星屑』 山田参助
『海街 diary』 吉田秋生
『彼方のアストラ』 篠原健太
『健康で文化的な最低限度の生活』 柏木ハルコ
『さよならミニスカート』 牧野あおい
『その女、 ジルバ』 有間しのぶ
『ダルちゃん』 はるな檸檬
『凪のお暇』 コナリミサト
『フラジャイル』 原作:草水敏、 漫画:恵三朗
『ましろのおと』 羅川真里茂
『約束のネバーランド』 原作:白井カイウ、 作画:出水ぽすか